
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2026年(令和8年)03月09日 月曜日 徳洲新聞 NO.1533 2面

心筋に栄養や酸素を送る冠動脈の血流が滞ることで起こる虚血性心疾患。その予防には、日々の運動習慣とバランスの取れた食生活が不可欠だ。
「血管はつねに収縮と拡張を繰り返しており、内側は日々、傷付いています。これを修復する際、脂質異常症や喫煙歴があると、うまくいきません。左官作業が上手でない方が壁を修復すると、壁がゴテゴテと厚くなっていくイメージです」と野田総合病院(千葉県)の廣野喜之院長。本来、しなやかであるべき血管壁が不適切な修復の積み重ねによって厚く硬くなる――これが動脈硬化だ。
すでに血管内にプラークができ始めている場合でも、生活習慣の改善は大きな意味をもつ。とくに運動は血管詰まりの原因となる「不安定プラーク」の質を変える効果があるという。ブヨブヨと柔らかい不安定プラークは、適度な運動を継続することで「線維性プラーク」に硬化し、破綻しにくくなるからだ。ただし、急激な運動は逆に壁を崩落させるリスクがあるため、あくまで「適度」であることが重要。
廣野院長が推奨するのは、軽く汗ばむ程度の運動だ。「75歳未満なら1日1万歩が目安ですが、うち3割の3,000歩を速歩きなどの中強度運動にあててください。1分間に100歩の速さで30分歩けばクリアできます」と説く。
一方で、体からのSOSを見逃さないことも肝要だ。通勤や家事、趣味のゴルフなど、普段と同じ動きをしているにもかかわらず、胸が押される、いつもより時間がかかる、疲れやすい、嫌な汗をかくといった違和感は、心臓異常の可能性がある。廣野院長は、無理をせず早めに循環器内科を受診するよう呼びかけている。