
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2026年(令和8年)03月02日 月曜日 徳洲新聞 NO.1532 3面
鈴や鳴子でリズムを取りながら歌う利用者さん
介護老人保健施設(老健)リハビリケア湘南かまくら(神奈川県)は月2回、外部講師を招き音楽療法を実施している。歌や演奏、体操を楽しむことで、口腔機能の維持や認知症ケアにつなげるのが目的だ。これは老健かまくら(同)での実績をもとに、老健リハビリケア湘南かまくらの開設時に導入された試みで、約15年にわたり継続、今や施設に欠かせない活気をもたらしている。
取材当日の1月25日は1時間で計10曲を演奏、小道具を用い、体全体を使って楽しみながら取り組んだ。地元の名を冠した童謡「鎌倉」では、布を使って歌いながら体操を行い、「三百六十五歩のマーチ」では鈴や鳴子でリズムを刻みながら歌唱。季節感も重視し「北の宿から」や「津軽海峡・冬景色」も歌唱し、情景を思い浮かべながら利用者さんの記憶を刺激。最後は定番の「故郷」で締めくくった。
講師は、利用者さんの年代や地域性に根ざした対話を織り交ぜながら進行しており、渡辺千代美・介護副主任は、「講師が利用者さんと近い年代だからこそ、その言葉が深く心に浸透し、安心感や信頼関係につながっていると感じます」と分析する。
実際に、利用者さんの心身に顕著な波及効果が現れており、ふだんは頻尿などの影響で短時間しか座っていられない利用者さんが、セッション中は一度も離脱せず集中して参加したり、自室に閉じこもりがちな利用者さんが、率先してフロアに集まったりしている。セッション後に鼻歌を歌う姿も見られ、楽しみが持続している点も大きい。
同施設の音楽療法は、研究目的のハードなプログラムとは異なり、「無理のないテンポ」と「楽しむこと」を重視している。自発的に参加し続けられる環境こそが、15年という長きにわたる継続の鍵。今後も利用者さんの生活のリズムを整え、QOL(生活の質)を向上させる重要な活動として継続していく考えだ。