
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2026年(令和8年)03月02日 月曜日 徳洲新聞 NO.1532 2面

心筋虚血とは、心臓の筋肉に栄養と酸素を送る冠動脈の血流が滞った状態を指し、それにより引き起こされる疾患を虚血性心疾患という。一時的な冠動脈の血流低下により胸痛をともなう「狭心症」から、悪化すれば血管が完全に閉塞して心筋が壊死する「心筋梗塞」に至るこの疾患は、命にかかわる深刻な事態を招く。
心筋虚血の二大原因は動脈硬化と血栓だ。加齢や脂質の蓄積で血管内に「プラーク(コレステロールや脂肪の塊)」が形成され、血液の通り道が狭まるのが動脈硬化。プラークが急な運動や精神的ストレスで傷つき、血の塊(血栓)が生じると、血管を完全に塞いでしまう。野田総合病院(千葉県)の廣野喜之院長は「心筋梗塞は冬のイメージが強いが、引き金があれば一年中起き得る」と警戒を促す。
リスク因子には脂質異常症や高血圧症などに加え「家族歴」もある。しかし廣野院長は「家族歴に遺伝的側面があるのは否定しないが、たとえば山盛りのから揚げやフライドポテトを家族でシェアするような太りやすい食習慣の継承なども深く関係している」と指摘。「遺伝だから仕方がない」と諦めるのではなく、生活習慣の改善次第で疾患は十分に予防できるという。
「この疾患の恐ろしさは、危ない状態になるまで自覚症状がないケースが多い点」と廣野院長。早期発見できれば薬物療法で対処できるが、重症化すればカテーテル治療やバイパス手術が不可避。「生活習慣を見直し、検査を受ける勇気が突然の悲劇を防ぎ得ます」とリスクがある場合は定期的な検査を勧めている。