徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2026年(令和8年)02月16日 月曜日 徳洲新聞 NO.1530 1面

吹田徳洲会病院
リニアック連続治療2500日達成
日々の丁寧なメンテナンスで途絶えず!

吹田徳洲会病院(大阪府)は、放射線治療装置(リニアック)「TrueBeam STx」の連続治療2,500日を達成し、製造販売元のバリアン・メディカルシステムズから表彰された。同社の“デライトプログラム”に基づくもので、グループ外を含め全国でも表彰された施設は少ない。藤原聖輝・放射線治療科医長は「中断せず予定どおり治療することは、患者さんはもちろん、病院運営にとっても重要。日々のメンテナンスなど、診療放射線技師はじめスタッフの弛まぬ努力の賜物です」と謝意を示す。徳洲会グループで重ねた連続治療日数としては同院が最長。

診療放射線技師ら弛まぬ努力の賜物

表彰状を掲げる藤原医長はじめ放射線治療科スタッフ(左が枡谷室長) 吹田病院の「TrueBeam STx」。2019年以来、中断することなく稼動 安定した稼動に欠かせない加速器(X線をつくりだす部分)を入念にチェック

TrueBeam STxは、標的とするがん病巣に線量を集中させ短期間で病巣を消滅させる「定位放射線治療」(SRT)や、放射線の強度を最適化(病巣には高線量、正常組織には低線量)して照射する「強度変調放射線治療」(IMRT)などが行える高精度放射線治療装置。治療効果の向上や患者さんの負担軽減が期待できるが、非常に高度かつ精密な制御技術が備わっており、少しの不具合で治療の実施が困難になってしまうケースが珍しくない。装置が復旧するまでに数日がかかったり、短時間で復旧しても治療開始時間が患者さんの都合と合わなくなったりし、治療の予定日を変更しなくてはならない場合もある。

こうした背景から、バリアンメディカルシステムズは2016年に“デライトプログラム”を創設。TrueBeamを含む自社のリニアック3機種シリーズを対象に、長期にわたる連続治療を実践している医療機関を500日単位で表彰する取り組みを開始した。

吹田病院は14 年7月にTrueBeamを導入。前立腺がんを筆頭に、乳がんや肺がん、さらに臨床試験などでIMRTを行い、現在、月間の放射線治療件数は300~400件を数える。19年から今回の連続治療が始まり、23年に1,500日に到達。昨年11月12日に2,500日を達成し、年が明け1月14日に院内でバリアン社から表彰を受けた。同社によると、過去に連続2,500日以上の照射を達成した施設は、全国に29施設。

要因について藤原医長は「この記録は、19年1月に枡谷隆史・放射治療品質管理部室長(診療放射線技師、医学物理士)が入職してから始まりました。その前から同じリニアックを使用し、同社担当者も今と変わりませんが、装置のトラブルで治療できない日がありました。枡谷室長のメンテナンスのクオリティーが関係しているのではと思っています」と説明。

その枡谷室長は、安定した放射線治療を行うために心がけていることとして、①装置の事前チェックは使用状況など傾向をしっかり分析しながら行う、②わずかな変化も見落とさないようにスタッフ、業者との情報共有をしっかり行う――の2点を挙げる。

徹底して情報共有し原因追究

具体的には、毎朝のチェックでも、同じように測定するのではなく、装置の状況などを考慮し、消耗しやすい部品などを予測しながら行う。異常の検知はもちろん、違和感であってもスタッフや、業者との情報共有を怠らない。

「その時々の使用状況、あるいは学会や論文などで得た他施設のデータ、ガイドラインを十分に頭に入れ確認する。そうすることで、わずかな変化にも敏感になると考えています。早め早めに回避する積み重ねが大切」と枡谷室長。

続けて、「違和感についても様子見はせず、情報共有し、とことん理由を追究・確認することが少なくありません。メンテナンスの方法を以前と大きく変えたつもりはありませんが、たとえば部品交換の頻度など共有すべき情報も可視化を意識するなど、さまざまな小さな取り組みが奏功しているかもしれません」と明かす。

表彰に対しても、「患者さんは非常に不安ななか、一定期間、毎日頑張って来院してくださいます。連続して治療を行うことに、とてもやりがいを感じます」と語気を強める。

今後、同院は同じクオリティーで装置を管理できるように人材育成にも精力的に取り組む意向。藤原医長は「安心・安全・安定した放射線治療が行えることは、患者さんはもちろん、臨床試験の参加者、そして病院運営にも良い環境と言えます」と強調。「さらに治療件数、連続治療日数の増加に向けて皆で頑張ります」と意気込む。なお、日鋼記念病院(北海道)が昨年10月31日に徳洲会グループ入りした後、11月10日に連続治療3,000日を達成している。

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