徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2025年(令和7年)12月22日 月曜日 徳洲新聞 NO.1523 4面

日本臨床外科学会学術集会
研修医セッションで最優秀賞と奨励賞
徳洲会グループから65演題と存在感発揮

第87回日本臨床外科学会学術集会が11月20日から3日間、「心 技 体」をテーマに都内で開催され、徳洲会グループからの発表は65演題に上った(うち4演題は同会場で併催の第35回外科漢方フォーラム学術集会)。研修医セッションでは19演題を発表し、宇治徳洲会病院(京都府)の中島太朗研修医(2年次)が最優秀賞、東京西徳洲会病院の荻原佑城研修(1年次)が奨励賞をそれぞれ受賞、専攻医セッションでも9演題の発表を行い、存在感を示した。学術集会特別企画やシンポジウム、パネルディスカッション、重要演題、要望演題などでも多数の発表を行った。

中島・宇治病院研修医が快挙

右から荻原研修医、今学術集会の吉田寛会長(日本医科大学大学院教授・消化器外科部長)、中島研修医全国から多数の外科医が集結し知見を共有

最優秀賞を受賞した中島研修医は「腹腔鏡縫合キットでの手技上達における外科医によるフィードバックの効果についての検証」がテーマ。腹腔鏡を用いた縫合手技に関し、外科医のフィードバックを受けることで効果的に習得できるかどうかを検証した。具体的には初期研修医を、フィードバックを受ける群(FB群)と受けない群(non-FB群)にランダムに割り付け、腹腔鏡縫合キットでシミュレーションを行い、ラーニングカーブの解析を行った。

ラーニングカーブの頂点(学習の飽和点)をcompetenceとし、そこに到達するまでの試行回数を比較。統計解析の結果、有意差なしという結論に至った。「FB群の方がcompetenceに至る試行回数が少なく、効果的に学習している可能性がありますが、そこまで強い結論は言えない結果となりました」とまとめ、FBの方法を細かく定義しなかったことなど有意差が出なかったさまざまな可能性を考察した。

表彰式後、中島研修医は「発表の技術や統計解析の手法など細かく教えていただいた指導医である当院消化器外科副部長の我如古理規先生や、協力してくれた研修医の仲間のおかげです。徳洲会の研修は臨床のイメージが強いですが、学会から評価いただき、学術活動も盛んであることをアピールできて良かったです」と喜びの声を上げた。

奨励賞を受賞した東京西病院の荻原研修医は「シミュレーショントレーニングから部分執刀へ-TAPP腹膜閉鎖部分執刀の経験-」をテーマに口演。同院は研修医に対してシミュレーターでの課題クリアを条件に院内資格を付与し、消化器外科ローテート時に腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(TAPP)の腹膜閉鎖の部分執刀を認めている。

手術動画を供覧しながら同院の手技トレーニングについて、針の把持、縫合、結紮の3パートが定型化されていることや禁忌の規定など紹介し、「指導医とのシミュレーショントレーニングを通じて、患者さんの安全性に配慮しつつ、研修医の立場で執刀機会を得ることができたのは貴重でした」と結んだ。

荻原研修医は「大変光栄です。本発表は指導医の先生方をはじめ、看護師やメディカルスタッフの方々の協力なしには成し得ませんでした。早期から執刀経験を積める当院の教育体制は大きな支えです。今回得た学びを診療に生かし、より良い医療を提供できるよう努力を続けてまいります」と成長を誓った。

研修医セッションの表彰タイトルは他に優秀賞のみ。3つの表彰のうち2つを徳洲会が受賞、存在感を大いに示し、臨床に加えて学術活動に関しても熱心な指導医や周囲のサポーティブな環境を印象付けた。

外科医不足に対応しセッション

外科医不足や外科希望医師の減少などが深刻化している状況を受け、日本臨床外科学会は「学術集会特別企画」で、持続可能な外科医療体制の構築をテーマとするセッションを多数企画、徳洲会も複数の演題を発表した。

岸和田徳洲会病院(大阪府)の片岡直己・外科主任部長は「当院で実践している、若手を『承認』する働き方改革」、宇治病院の我如古副部長は「外科教育における多様な実践:制度と現場のはざまで」、同院の藤岡祥恵・外科医師は「外科医継続の重要性とその戦略-継続は力なり-」、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の赤羽祥太・腎移植外科兼消化器外科医長は「若手外科医にとって魅力的なキャリア形成とは何か-実体験をもとに考えるキャリアの多様性とその提示の意義」、同院の水嶋由佳・外科医師は「海外医学部出身女性外科専攻医として考える『心・技・体』のバランスとキャリア形成」をテーマに口演した。

シンポジウムでは宇治病院の長山聡・消化器外科部長が、“外科医が取り組む基礎研究”として「大腸癌微小転移巣はどのようにして肉眼的転移巣へと進展するのか~播種細胞(DTC)オルガノイドの解析より見えてきた顕在化メカニズム~」をテーマに発表。中部徳洲会病院(沖縄県)の内間恭武・消化器外科部長は「ロボット支援下手術全盛時代における腹腔鏡下大腸切除の再定義-地域医療と外科教育の視点から-」をテーマに、ロボット手術と腹腔鏡手術を適切に使い分ける運用や教育体制について発表した。

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