徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2025年(令和7年)12月08日 月曜日 徳洲新聞 NO.1521 3面

三輪ポル・メド・テック社長
遺伝子改変ブタで腎移植
医療費削減と透析ゼロ目指す

「2030年の国内承認と臨床応用開始を目指します」と三輪社長

ポル・メド・テックの三輪玄二郎社長は「遺伝子改変ブタを用いる異種腎臓移植の臨床応用に向けて」と題し講演した。国内で35万人に上る透析患者さんには、1人当たり年間500万円、総額1.7兆円という膨大な医療費が必要と指摘。

この状況を打開する切り札として、遺伝子改変ブタの腎移植が現実的な解決策として浮上。米国では臨床応用が先行し、移植腎の生着期間が271日に達した症例や、患者さんが22週もの透析離脱を果たし、職場復帰した先進事例などの報告がある。

同社は、米国の先進4症例で使用されたブタと同一のクローンブタを、国内ですでに47頭生産完了。将来的には新規透析導入患者数を超える年間4万件以上の移植供給体制を確立し、2050年代に「透析ゼロ」社会を実現すると同時に、関連医療費を劇的に削減し、社会課題の解決を目指す。

同社チーフサイエンティストの長嶋比呂志・明治大学農学部生命科学科教授が科学的な内容を解説。ドナーブタは合計69カ所にも及ぶ遺伝子操作を施しており、まず、人に超急性拒絶反応を引き起こすブタ特有の3つの抗原遺伝子を完全に除去。次に、人の免疫反応や血液凝固を制御する7種類の重要遺伝子を導入し、拒絶反応を抑制。さらに、感染症リスクを排除するため、ブタゲノム(全遺伝情報)内に存在する内在性レトロウイルスの全59コピーを不活化するという、きわめて高度な安全対策を講じている。

同社は米国での治験データに基づき、30年に国内承認と臨床応用開始を計画。また、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)に隣接する湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)を臓器摘出施設候補として関係者と協議中で、日本での追加治験時には同院と協力し進めたい意向を明かした。

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