徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2025年(令和7年)12月01日 月曜日 徳洲新聞 NO.1520 3面

日本胸部外科学会
徳洲会が16演題を発表
会期中に徳洲会心外部会開く

第78回日本胸部外科学会定期学術集会が10月23日から3日間、大阪府で行われた。テーマは「勠力共振~Advancing together with solidarity, collaboration, and resonance~」。徳洲会グループは16演題を発表した。シンポジウムを中心に紹介する。

伊藤部長はシンポジウムをはじめ3演題発表 医療経済の観点を取り入れ発表する中山医長 会場には徳洲会ブースも 部会でさまざまな情報を共有し意見を交換(前列左から5人目が中村部会長、その右が大橋・副理事長)

シンポジウムでは、千葉西総合病院が2演題を発表。伊藤雄二郎・心臓血管外科部長は「Zone 2 TEAVRを基本とする当院でのpreemptive TEVARの中期成績」がテーマ。preemptive TEVARはB型大動脈解離に対する治療で、同院では、Zone 2(左総頸動脈分岐末梢から左鎖骨下動脈分岐部まで)でのステントグラフト留置を基本としており、伊藤部長は、その治療成績を検討した。対象は2018年1月から25年2月まで自院で経験した急性B型大動脈解離に対するTEVAR施行49例。

その結果、35例(71.4%)は偽腔の完全消失が得られたことなどを示し、「おおむね満足のいくものでした」と紹介。今後もZone2を基本とし、手術適応の拡大を検討する余地があることも示唆した。他にも一般演題、ミニオーラルで1演題ずつ発表した。

もう1演題は中山泰介・心臓血管外科医長が「MICS-AVR vs TAVR―医療経済的観点からの最適戦略を探る」と題し発表。これまでの報告では、MICS-AVR(低侵襲動脈弁置換術)よりもTAVR(経カテーテル的大動脈弁留置術)のほうが、費用対効果が優れるというデータが多く示されてきたが、その大半は患者背景の違いを十分に調整できていない課題があったことを指摘。

今回、MICS-AVRを用いたMarkovモデルを採用して21年1月~24年12月に自院で行った重症大動脈弁狭窄症に対するTAVR280例とMICS-AVR102例の医療費と中期予後を比較したところ、中等度リスクの患者層ではMICS-AVRがTAVRと同等か、状況によっては、より費用対効果に優れる可能性が示された。中山医長は「今後は、患者背景や再介入リスクをふまえた術式選択とともに、費用対効果を見据えた持続可能な医療戦略の構築が求められます」と締めくくった。

Techno-academyでは、葉山ハートセンター(神奈川県)の飯田浩司院長が、異物を留置しないオリジナルの漏斗胸手術について、演題「侵襲が少ない胸郭変形手術の開発」を発表した。企業共催セミナーでは千葉西病院の中村喜次副院長が「ロボット支援下僧帽弁置換術」と題し講演した。

制度の新基準など部会で共有

同学術集会に合わせ、24日に第10回徳洲会心臓血管外科部会を大阪市内で開催。徳洲会グループの心臓血管外科医師ら30人が出席した。はじめに大橋壯樹・副理事長が挨拶。徳洲会グループの心臓血管外科は、現在、アジアの複数国で医療交流を進めている状況を説明し、協力を求めた。国内でも「大きくなってきている」とし、「若い先生がたくさん来て、魅力ある徳洲会をつくっていきたいと思います」と結束を呼びかけた。

部会長の中村・千葉西病院副院長も挨拶に立ち、部会内に各種委員会が発足し形になりつつある現状や、データベースの蓄積・活用ができる状態を挙げ、部会の成長を強調した。

会では、まず人材育成委員会の報告を行い、修練施設認定など心臓血管外科専門医制度に関する新たな基準などを情報共有。若手心臓血管外科医師の育成支援策についても協議した。他に心臓血管外科のホームページ、データベースを用いた研究、徳洲会臨床工学部会による報告、学術セッション(3演題発表)といったプログラムを行い、最後に大橋・副理事長がグループとして推奨する生体弁・機械弁について説明した。

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