
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

Tokushukai medical group newspaper digest
2025年(令和7年)11月24日 月曜日 徳洲新聞 NO.1519 3面
DMATの5人を含む多職種16人が訓練に参加
現場指揮所に挨拶し情報収集を行う
救護所の赤エリアでは重傷者に対応
札幌東病院から訓練に参加したのは合田祥悟・集中治療センター副センター長をはじめ看護師、救急救命士各6人、薬剤師、作業療法士、臨床検査技師各1人の計16人。同院では各部署で災害対策を中心的に行うリンクスタッフを選定しており、今回の訓練にはDMATとリンクスタッフが参加した。当日は午前中にDMATメンバーが中心となり、トランシーバーの確認やトリアージ訓練、医療搬送カルテの準備などを行い訓練本番に備えた。
訓練は、丘珠空港に着陸した飛行機が滑走路上でエンジンから火災が発生した想定で実施。札幌市消防局が消火活動や人命救助などを行っている間、同院のチームは救護所の設営や情報収集などに取り組んだ。
傷病者役が運ばれてくると、トリアージ実施エリア、赤エリア、黄エリア、緑エリアに分かれて対応。合田・副センター長を中心に、患者さん対応やロジスティクスなど役割分担し、次々に運ばれてくる傷病者に対応、さらに地域の医療機関への搬送依頼などを行った。
訓練終了後、講評が行われ、丘珠空港事務所から28機関、160人以上が訓練に参加したと報告があり、「参加者全員が実際の航空機事故を想定して行動し、消火・救出・救護活動において、各機関がそれぞれの役割を十分に発揮しました。その結果、見事に連携が取れた活動ができたと思います。有事における1分1秒の大切さをあらためてかみしめる機会となりました。今後も参加各機関の継続的な協力をお願いします」と呼びかけた。
札幌市消防局からは「航空機事故は、いつ、どこで発生してもおかしくない状況で、本訓練のような実践的な備えが重要です。指揮系統と情報共有、現場活動、医療対応ともに、組織的かつ体系的な活動が展開されました。今後も各機関がそれぞれの活動の幅をさらに広げていくことを期待します」とまとめ、終了した。
訓練終了後に振り返りを実施
訓練終了後、同院メンバーは病院に戻り反省会を実施。
課題のひとつとして、患者情報の管理体制を挙げた。一次トリアージで付与した番号が連続しておらず、患者さんの追跡が困難になったり、緑エリアでは40人超の傷病者のリストが作成できず、正確な人数把握にも支障が生じたりした。情報の一元化は搬送調整にも直結するため、初動から統一した通し番号とリスト化を徹底する必要性を共有した。
また、指揮命令系統の不明確さも課題となった。重症者対応にあたる合田・副センター長が治療に専念せざるを得ず、赤エリア全体を統括する指揮官が不在となる場面があった。このため、急遽、看護師リーダーが指揮を代行したが「誰が全体を把握しているのか、わからない」という状況が発生した。
さらに、人員配置の偏りも浮き彫りになった。DMATメンバーが赤エリアに集中した結果、黄エリアは看護師1人とロジスティクス担当1人で運営せざるを得ず、「手が回らなくなった時にどこから応援を得るか」と不安を示した。各エリアの状況変化を指揮官が把握し、適宜、人員を再配置できる体制の構築が今後の課題として挙がった。
資機材に関する問題では、赤エリアで人工呼吸器や吸引器が不足し、看護師がバッグバルブマスクを手動で動かし続ける場面があった。点滴の準備も不十分で、屋外での運用方法も検討が必要となった。また、ベッドサイドで使用した記録用紙が裏表形式で使いづらく、情報共有を妨げたため、様式改善を求める声も出た。
合田・副センター長は「傷病者役を用いた実践的な大規模訓練は貴重であり、現場ならではの課題を具体的に把握できた点は大きな成果となりました。今後は今回の反省点を共有し、マニュアルの改訂や次回訓練の改善につなげましょう」と呼びかけ、閉会した。