
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

Tokushukai medical group newspaper digest
2025年(令和7年)10月27日 月曜日 徳洲新聞 NO.1515 3面
徳洲会臨床工学部会(CE部会)手術WG(ワーキンググループ)は9月6日から2日間、千葉西総合病院で「体外循環安全教育セミナー」を開いた。同WG初の試み。今回は北・南関東ブロックで人工心肺操作の経験が少ない臨床工学技士(CE)を対象に、同装置に対する安全意識と知識・技術の向上、徳洲会グループ標準回路の周知などを図った。
人工心肺装置の交換トレーニングなどは実際に手術室で実施。臨場感があるなかで研鑽
講義で「人工心肺における安全装置設置基準(第7版)」を解説する岩本技士長
初日は主に講義を行い、まず人工心肺の回路(患者さんの血液が流れる管や部品の総称)について解説。使用するチューブの長さや色、付属品、構成などが各施設で異なり、安全面(異動や応援など新たに加わった職員による誤操作防止など)やコスト面などから、同部会ではグループ内の標準化を一部進めていることを説明、標準回路の構成や特徴、チューブの長さや色、期待できるメリットなど紹介した。
あわせて、標準回路を安全かつ効果的に使用するための教育体制を整えていくことも示した。その後、会場に運んだ人工心肺装置に取り付けてある標準回路について説明した。
日本体外循環技術医学会が昨年9月に改訂した最新の「人工心肺における安全装置設置基準(第7版)」や、何らかの原因で人工肺の圧力が上昇し循環が保てなくなるトラブル、実際に起こった医療事故事例なども解説した。最後にKYT(危険予知トレーニング)を行い、CEの業務風景写真をもとに、考えられる危険について参加者全員が意見を出し合ったり、グループに分かれて人工心肺施行中に潜む危険を発表し合ったりした。
2日目は、グループワークをメインとし、標準回路の組立てと人工肺の交換、脱血不良や圧上昇など模擬トラブルによる人工肺装置の操作トレーニングをシミュレーターを用いて実施。用意した人工心肺装置の操作シナリオを用いて、さまざまなトラブルシューティングに関する実技研修も行い、最後に各対応について振り返った。
終了後、同セミナーの企画を中心的に進めた岸和田徳洲会病院(大阪府)の岩本和也・臨床工学室技士長は「千葉西病院が人工心肺装置のシミュレーターを複数台保有していることから、関東で開催しました。人工心肺操作の経験が豊富なCEは関西・大阪ブロックに多いため、同ブロックの臨床工学技士長中心に講師をお願いしました」と説明した。
「より現場に即した内容・形式を意識しました。人工肺の交換に至るケースは、原因がわからないこともあり、緊急時の対応をしっかり身に付けてほしいと思います。初回にしては参加者の満足度も高く、まずは実施して良かったと思います」と満足げだった。
同WG長の及川陽平・湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)臨床工学科技士長も「人工心肺を用いるケースは、わずかなミスが大きな事故につながりかねません。非常に高い知識と安全管理が求められます」と指摘。「今後も徳洲会標準回路の理解促進、人工心肺装置操作者の質と安全を確保するために、さまざまな取り組みを考えていきます」。