
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

Tokushukai medical group newspaper digest
2025年(令和7年)10月20日 月曜日 徳洲新聞 NO.1514 1面
徳洲会グループは新潟県を設置者とする「新潟大学地域医療教育センター・魚沼基幹病院」(魚沼基幹病院)の運営改善に協力した。主に経営に関するサポートで、8月に医療法人徳洲会(医徳)の末吉敦・専務理事(宇治徳洲会病院院長)と徳洲会医事部会のメンバーが訪れ、改善策を提案。9月には県や魚沼基幹病院職員らが宇治徳洲会病院(京都府)を訪れ、視察した。徳洲会と新潟県は2022年から臨床研修(医学部卒業後に行う初期研修)で連携し、その協議のなかで徳洲会研修部門統括責任者でもある末吉・専務理事が相談を受け、実現した。魚沼基幹病院の運営は一般財団法人新潟県地域医療推進機構。
訪問最終日に魚沼基幹病院玄関前で同院の中島勝・経営企画課長(左)に見送られる徳洲会一行(その右から中川係長、広瀬係長、福田・副部会長、末吉・専務理事、宮城係長、山田課長、仲山副主任)
「(徳洲会と)何が違うのか、伸びしろがある部分の見える化を期待しました」と中村部長
末吉・専務理事の講演に聞き入る魚沼基幹病院スタッフ
徳洲会グループは、22年に新潟県が創設した「県外たすきがけプログラム」に基づき、複数の臨床研修指定病院が同県の大学病院や臨床研修指定病院と連携し、マッチングした初期研修医(1年次)などの教育を行っている。これに関連した協議を行うなかで、末吉・専務理事が新潟県福祉保健部の中村洋心部長から県内にある公立病院の運営が軒並み厳しい状況を聞き、そのひとつに挙がった魚沼基幹病院への協力を快諾した。
まず8月20日に徳洲会医事部会の福田洋平・副部会長(一般社団法人徳洲会経営対策室次長)、入部美香・宇治徳洲会病院医事課課長、山田直樹・茅ヶ崎徳洲会病院(神奈川県)医事課課長、中川智仁・野崎徳洲会病院(大阪府)医事課係長、広瀬良太・東京西徳洲会病院医事課係長、宮城治・鎌ケ谷総合病院(千葉県)医事課係長、仲山元規・和泉市立総合医療センター(大阪府)医事課副主任が同院を訪問。2日間、診療報酬算定に関する点検や財務諸表の確認などを行った。
22日に末吉・専務理事が合流し、さらに確認。最後に、魚沼基幹病院や新潟県の職員に対し、末吉・専務理事と福田・副部会長が分析・確認結果をプレゼンした。
末吉・専務理事は、魚沼基幹病院の地域特性(医療圏、医療需要、人口など)や医療に関する国の方向性を示し、そのうえで具体的な経営改善策に言及。救命救急センター病棟や回復期リハビリテーション病棟の開設といった医療機能、また全国や徳洲会グループ病院との比較などを行いながら、DPC(診断群分類)機能評価係数、患者数、病床利用率、業務量などに関する具体的な提案を行った。
他にも、徳洲会グループの方針や自院の取り組みを紹介し、診療スペースなど空間の使い方、機材購入費や人件費、保守・委託費などにも改善の余地がある可能性を示唆した。今後を見据え、地域医療連携推進法人の検討なども呼びかけた。
魚沼基幹病院スタッフに宇治徳洲会病院内を案内
福田・副部会長も徳洲会グループの考え方や方法を交えながら、改善が見込めるDPC機能評価係数、質と効率性が最適な施設基準の組み合わせなどを提案。「どれだけ現場のスタッフが頑張っても、請求漏れや過小請求があれば、医療の質、職員の士気にかかわる」と、保険請求が適切でなければならないことも強調した。
最後に、今年3月に一部のメディアが「全国6割以上の病院が赤字」と報じたことに言及。「“6割も赤字だから”と思うのか、“4割は黒字だ”と思うのか」と呼びかけ、成功病院の共通要因は制度の制約に適応する柔軟性であることを指摘。「病院名にある“基幹”という言葉は、物事の中心や根幹となる重要な部分を意味します。経営が改善すれば、この病院を中心に地域全体が活気づくように思います。基幹という言葉に込められた思いと、経営がうまくリンクすることを願っています」と結んだ。
出席した職員からは「組織的にいろいろなデータを集め、前に進んでいる徳洲会グループの姿勢を学ばせていただきました。当院は地域にとって欠かせない病院だと思うので、継続できるように、しっかり取り組んでいきます」といった声が聞かれた。
9月25日には中村部長、魚沼基幹病院の職員が宇治徳洲会病院を訪問。末吉院長が自院の経営に対する取り組みについて説明した。最後に、あらためて魚沼基幹病院に対して経営改善策を提示した。
末吉院長らは院内を案内し、その後、看護部、栄養科、事務部門に分かれ、相談に応じた。
徳洲会グループの協力に対し、あらためて中村部長は「末吉先生から徳洲会の経営を聞き、その知見を新潟にも還元していただきたいと思い、今回、相談させていただきました」と説明。魚沼基幹病院を選んだ理由に、①公設民営で外部の視点を取り入れやすい、②今年が開院10年目の節目になり、3年間の経営改善プログラムを策定したタイミングだった――ことを挙げ、「徳洲会は民間病院グループでありながら、とくに人口が少ない地域に病院を数多く抱えながらも上手な運営をされている。何が違うかを外からの視点で見ていただき、伸びしろがある部分の見える化を期待しました」と明かした。
今回のプログラムを振り返り、「経営を良くするために必要なマインドのもち方から末吉先生にご講義いただけたのは非常に良かったです。チームで全国各地から集まっていただき、本当に感謝しています」と謝意を表した。
末吉・専務理事は「新潟県との連携により、新たに臨床研修指定病院が申請できるグループ病院もあるなど、大変お世話になっていますので、お役に立ちたい思いで協力させていただきました。少しでも経営改善につながることを願っております」と期待感をあらわにしていた。