徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2025年(令和7年)10月14日 火曜日 徳洲新聞 NO.1513 3面

茅ヶ崎病院
地域包括ケア病床を開設
在宅復帰サポートし急変対応も

茅ヶ崎徳洲会病院(神奈川県)は8月に地域包括ケア病床(16床)を開設した。急性期治療後、すぐに自宅に戻るには不安がある方や、在宅復帰するためにリハビリテーションを継続する必要のある方、在宅患者さんの急変時の受け入れなど幅広い役割がある。茅ヶ崎市内では唯一の開設で、来年3月末までに計40床まで増床する見とおし。地域包括ケア病床の施設基準で正式運用するためには実績が必要で、10月現在、算定上は一般病床となるが、在宅復帰率や重症患者割合などは地域包括ケア病床と同じ条件で運用している。

茅ヶ崎市内で唯一

「多職種が連携し安全な在宅復帰をサポートします」と口をそろえる中澤師長(左)、由井・課長補佐 スタッフが優しく声をかけながら患者さんをケア 病室の床頭台には介助レベルを示すカードを掲示し、適切なケアを提供

茅ヶ崎病院は県から認められた40床の増床分を活用し病床再編を行い、地域包括ケア病床を整備。増床前に132床だった許可病床は現在144床で、段階的に172床まで拡大する。

同院は2018年にも同病床(8床)を開設したが、その後COVID-19の入院需要増を受け、20年に再度、一般病床へ基準を変更。地域の医療ニーズの変化に対応するため再開した。

同院地域医療支援室の由井正樹・課長補佐(ソーシャルワーカー)は「地域包括ケア病床は、多職種が連携し、患者さんや介護を担うご家族の身体的・精神的負担を軽減しながら、『治療が終わったら住み慣れた自宅へ帰る』という願いを実現するための調整と準備を行うための場所です。安全な在宅復帰を支援することが、同病床の大きな役割です」と説明する。

高齢の方々は急性期の病気が治っても、入院中に筋力や認知機能が低下し、自宅での生活能力が著しく低下してしまうことがしばしば起こる。そのため同病床に入院中、ADL(日常生活動作)回復のための集中的なリハビリを提供する。

もうひとつの重要な機能はレスパイトケア(介護者の一時的休息)。とくに、医療依存度が高く一般のショートステイ施設では対応が困難な患者さんの受け皿としての役割が期待される。

同病床の開始に向け、院内で対面の説明会やeラーニングによる勉強会を実施してきた。開始後は多職種カンファレンスを毎週開催し、スタッフ間で緊密に患者さんごとの情報や方針を共有。スタッフステーションには患者さんの状況をひと目で把握できるように、ホワイトボードに情報を集約。また病室には介助レベルを簡明に示すカードを床頭台に掲示するなど工夫している。平均10床以上が稼働、ニーズの高さがうかがえる。

中澤美和子・看護師長は「茅ヶ崎市は在宅志向(在宅療養・在宅看取り)の強い地域であり、在宅療養を続けるなかで、受診をためらっているうちに重症化し、救急搬送されるケースも少なくありません。重症化を防ぐためのハードルの低い医療資源として、ご自宅で体調が悪くなった時に、軽症のうちに入院のご相談をしていただければと考えています」とアピール。

在宅での看取りを強く希望していた患者さんと家族のケースでは、病状の進行により、やむを得ず入院。かなり深刻な状況で、「自宅で最期を迎えるのが本人の意思だったため、帰れないのであれば入院させなければよかった」と、一時は後悔していた家族だったが、多職種が力を合わせ、家族に介護指導を行い、各訪問サービスとも連携することで、無理のない自宅退院を実現。病床の特性を生かして、家族、医療者ともに達成感のある支援を行うことができた。

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