
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

Tokushukai medical group newspaper digest
2025年(令和7年)09月29日 月曜日 徳洲新聞 NO.1511 4面
徳洲会グループは薬剤部と臨床試験部会から医薬品医療機器総合機構(PMDA)に職員が出向し、現場経験を生かしてPMDAの業務遂行に貢献するとともに、出向中に得た知識・スキルを病院での治験業務に還元している。常時2人が出向。目下、来年度からの出向希望者を募っている。
「治験の安全な実施と質の向上に役立っています」と中村・副センター長
「CRCとして大きなスキルアップにつながります」と麻生室長
PMDAは医薬品や医療機器などの承認審査などを行う公的機関。出向者は信頼性保証部に所属し、製薬企業から承認申請された医薬品について、国が定めた基準に従って適切に収集・作成された治験データであるか、書面・実地で調査する。
臨床試験部会の前部会長である溝田忍顧問は「出向期間は1人2~3年です。医療現場での実務経験のあるCRC(治験コーディネーター)や薬剤師などが出向しています」と説明する。
湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)臨床試験センターの中村聡・治験担当薬局長兼副センター長は「仕事の幅を広げたい」という思いから、2019年4月に同院薬剤部から3年間出向。「さまざまな医薬品の承認プロセスにかかわり、全国の患者さんに新薬を届けるという病院薬剤師とは違ったやりがいと、大きな責任感がともなう仕事でした」と振り返る。
出向終了後は、経験を生かすため臨床試験センターに異動し、CRCのキャリアをスタート。「PMDAでの業務経験は、現場の実情に即した現実的な調整など、治験の安全な実施と質の向上に役立っています」とメリットを強調する。
湘南鎌倉総合病院(同)臨床試験センター治験支援室の麻生圭子・室長兼看護師長は20年以上にわたりCRCとして活躍。21年4月から2年間出向し「承認審査のプロセスや調査官の考え方を実体験として学び、CRCとして大きなスキルアップにつながりました」。
CRCという職種の魅力もアピール。「『自分のデータを未来の患者さんのために使ってほしい』という患者さんの思いを形にし、困っている方々に一日でも早く新薬を届けるという使命感が、CRCの大きなモチベーションです」。
出向希望者は溝田顧問まで(TEL:03-3263-4801、E-mail:mizotas@mirai-iryo.com)。勤務地のPMDAは東京都千代田区霞が関3丁目の新霞が関ビルに入っている。