徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2025年(令和7年)09月29日 月曜日 徳洲新聞 NO.1511 4面

徳洲会グループ
インドネシアから介護職員26人
特定技能制度を利用し9施設に勤務

徳洲会グループは8月26日、インドネシアから介護職員1期生26人を迎え入れた。これは同国にある日本語養成校と連携・協力し、特定技能制度を利用した人材採用プロジェクト。介護人材不足を補うとともに外国人介護職員の質向上などが狙い。約1年をかけて現地で教育を行い、面接のうえ配属先を決定。26人はグループ9施設で勤務している。

インドネシアにある研修センターで特定技能候補生に挨拶する八木沼本部長(右、24年12月) 東京本部での歓迎会は和気あいあいとしたムード 「ハラパンキタ・徳洲会循環器病センター」の完成予想図(右の黒い建物はがんセンター)。2026年夏に竣工予定 インドネシアからの介護職員26人と施設スタッフで記念撮影

特定技能制度とは、2019年4月に創設された人手不足が深刻な特定産業分野(16分野)で、即戦力となる外国人を受け入れるための在留資格。取得には各分野の技能評価試験や日本語試験(日本語能力試験ではN4以上)に合格する必要がある。

同制度を利用して、今回、初めてインドネシアから介護職員を迎え入れた。まず昨年9月と12月に、一般社団法人徳洲会(社徳)の八木沼正子・看護部門本部長ら徳洲会一行が現地を視察、日本語養成校や研修センターなどを訪れ、人材の育成環境や教育内容、生活基盤などを確認した。

今年1月にあらためて現地を訪問。60人の候補生に対し書類審査や面接などを行い、最終的に26人を内定した。現地で面接を担当したひとりである石川浩一・社徳国際部次長は「当初は30人の内定を目標としていましたが、その時点でのベストを考え、無理に多くの内定者を出さないようにしました」と明かす。

その後、内定者は同制度の要件を満たすための試験を受け、6月に全員が合格。日本で生活をするための準備を整え8月26日に入国した。

同日、徳洲会東京本部で歓迎会を実施。冒頭、八木沼本部長は「ようこそ日本へ、ようこそ徳洲会へ」と新たな仲間の来日を心から歓迎。日本で働くことは単に職務を遂行するだけでなく、将来、インドネシアと日本の双方にとって価値あるものになるという視点を示し、「日本で一生懸命に仕事をして、インドネシアでもその経験を生かしてほしい」と願いを込めた。

石川一郎・社徳本部長も挨拶し、「まずは日本に慣れることが何より大切です。四季の移ろいや食事、文化の違いを楽しみながら、日本での生活を少しずつ築いていってください」とエール。さらに「困りごとがあれば遠慮なく相談してほしい。日本人スタッフも皆さんと協力していきたいと思っています。あなた方が築く未来が、後輩たちにも道をつくります」と語気を強めた。

続いて、受け入れ施設が歓迎の意を込めて自施設を紹介。介護施設を代表して特別養護老人ホームかまくら愛の郷(神奈川県)の櫻井健一施設長、病院を代表して古河総合病院(茨城県)の大山哲史・総務課長が登壇し、それぞれ施設の特色や環境、業務内容などを説明した。利用者さんや地域とのかかわり方、介護業務で心がけてほしいことなども共有し、インドネシアからの介護職員が理解を深める場となった。

さらに、ハラール食の弁当を食べながら、歓迎会に出席した受け入れ施設の職員らと交流を深めた後、26人は勤務する9施設に向かった。この後、各施設で生活オリエンテーションや健康診断、職場でのオリエンテーションなどを行い、9月1日に勤務を開始した。

無事に1期生を迎え入れ、それぞれ施設へ送り出した石川次長は「ひと言で言えば、ほっとしました」と安堵の表情。「今後は各施設で問題なく業務に取り組み、日本での生活を送っていけるように継続的に支援していきます」と語ると同時に、「日本人スタッフも彼らと接することでモチベーションが上がればいいと思います」と期待を寄せていた。来年1月には2期生30人超が来日予定だ。

徳洲会グループは国際医療協力にも力を入れ、インドネシアの国立ハラパンキタ循環器病センターと「ハラパンキタ・徳洲会循環器病センター」の建設プロジェクトを進めている。26年夏に竣工する予定で、同センターは臨床、研究、教育の機能を備え、アジア域内での循環器医療のハブとしての役割を目指す。日本の医療資格をもつ徳洲会の医療従事者が同センターで医療を行うことについて、保健省の了承も得ている。

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