
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

Tokushukai medical group newspaper digest
2025年(令和7年)09月22日 月曜日 徳洲新聞 NO.1510 4面
高田聡 宇治徳洲会病院(京都府)形成外科部長、日本形成外科学会専門医、形成外科領域指導医、再建・マイクロサージャリー分野指導医、日本創傷外科学会専門医、乳房再建用エキスパンダー・インプラント責任医師
A. お答えします。
放射線治療を実施していると、その部分の傷が治りにくいため再建しない病院が多いのですが、放射線治療を実施していなければ何年後からでも再建は可能です。乳房再建は乳がん手術と同時に実施する場合と、術後、日を置いて、あらためて実施する場合があります。同時に再建すると手術時間が長くなりますが、一度の手術ですみ、良い形に整えられる印象があります。日を置くと、手術創の皮膚が硬くなってしまうため、胸を膨らませにくくなり、形を整える難易度が上がります。
再建方法は、ご自身の腹直筋や広背筋などを使用する方法と、インプラント(人工乳房)を使用する方法があります。ご自身の筋肉や脂肪を使うと手術は1回ですみますが、筋力が落ちるため、身体の負担が大きくなります。
一方、インプラントは身体負担が少ないものの、1回目の手術で胸に入れた袋に生理食塩水を少しずつ足し入れ、皮膚を伸ばし、2回目の手術で袋をインプラントに入れ替えるため、2回の手術が必要になるなど、それぞれにメリット・デメリットがあります。いずれにせよ、再建には最初の乳がんの治療情報が必要になりますから、まず乳がんの先生に相談してみてください。