徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2025年(令和7年)09月22日 月曜日 徳洲新聞 NO.1510 2面

感染管理実務担当者を養成
グループ内認定研修開講
徳洲会感染管理部会

徳洲会感染管理部会は2025年度感染管理実務担当者グループ内認定研修を開講した。8月29日に東京本部で開講式を実施、全国の徳洲会グループ病院から感染管理の実務に携わる28人の職員が参加した。来年2月まで対面の集合研修とオンラインでの研修を重ね、感染管理に必要な幅広い知識・技術を学んでいく。

「しっかりと知識・技術を身に付けてください」と佐藤部長

同部会は23年に「感染管理実務担当者(Infection Control Practitioner=ICP)育成コース」という教育プログラムを開始。今年度から、より感染管理活動の実践に即した内容にブラッシュアップするとともに、対面式のみだった実施形態にオンライン研修も導入するなど刷新を図ったのが、同認定研修だ。

演習では蛍光塗料を汚染物質に見立て、ブラックライトを当てて汚染の拡がりを確認

感染管理認定看護師の教育コースに準拠した内容で、座学と演習を通じて、実務者として実践するための感染管理を体系的に学ぶことができる。講師は専門知識をもつ同部会執行部メンバーが務める。

部会長である佐藤守彦・湘南鎌倉総合病院(神奈川県)感染対策室部長は「コロナ禍では、感染管理に専従する実務担当者や感染管理認定看護師がいない中小規模病院で対応が後手に回りました。そのため今回はアウトブレイク(集団感染)発生時に、各病院で初動対応をしっかりと行えるように、中小規模病院の職員を受講者の中心としています」と説明する。

開講式では、佐藤部長が「3年目を迎え、修了者が各病院で感染管理実務担当者として活躍しています。なかには、ステップアップのため感染管理認定看護師の資格取得を目指す職員もいます。しっかりと知識・技術を身に付ければ、皆さんのキャリアにも重要な意味をもちますので、ぜひ頑張って受講してください」と挨拶。

この後、一般社団法人徳洲会の深野明美・医療安全・感染管理部部長が「目標管理」をテーマに講義。受講者は、問題解決ツールであるSWOT(内部環境因子:強みと弱み、外部環境因子:機会と脅威)分析や、経営管理ツールであるBSC(バランススコアカード)を学んだ。

続いて東京西徳洲会病院の片渕盛将・副看護部長が「サーベイランスの考え方と感染対策の教育的手法」を講義。HAI(医療関連感染)に関して収集・分析・解釈したデータを、院内で共有するために行うフィードバックのポイントを習得するグループワークなどを行った。

最後に、手指衛生やPPE(個人防護具)着脱、口腔ケアに関する教育的手法を学ぶプログラムを実施。福岡徳洲会病院の伊藤恭子・感染管理室長を中心に、片渕・副看護部長や、大隅鹿屋病院(鹿児島県)の仮重喜代美・看護師長らが講師を務め、実際のPPEや歯列模型、手洗い評価キットなどを用いて演習形式で行い、この日の全プログラムを終えた。

翌30日にも標準予防策やHHSAF(手指衛生自己評価フレームワーク)、直接観察法などについて講義を行った。

今後、感染経路別予防策や薬剤耐性菌、初動体制とゾーニングなど多岐にわたる内容を習得していく。

PAGE TOP

PAGE TOP