
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

Tokushukai medical group newspaper digest
2025年(令和7年)09月22日 月曜日 徳洲新聞 NO.1510 1面
医療法人徳洲会は10月1日、東京・豊洲にTIMC(TOKUSHUKAI International Medical Checkup)TOKYOを開設する。人間ドック専門施設で、昨年8月に開設したTIMC OSAKAに次ぎ2施設目。予防医学と再生医療の融合が大きな特徴で、未病の段階で可視化と早期介入を行い、必要に応じて再生医療や免疫療法といった先端的な治療につなげる。また、がんが存在する部位を正確に検出するPET-CTをはじめ最新の医療機器を備え、充実した検査項目を用意。さらに個室10室の居心地の良い空間で、プライバシーの確保も万全だ。羽田空港にも近く交通至便なことから、主にメディカルツーリズム(医療観光)による外国人の利用を想定している。
「おもてなしの場であるという意識をスタッフ全員で共有」と服部事務長
ラグジュアリーで落ち着きのあるロビー
プライバシーに配慮した個室を10室用意
がんが存在する部位を正確に検出するPET-CT
羽田空港や都心の主要駅にもアクセスしやすい豊洲エリアに立地
TOKUSHUKAI International Medical Checkup TOKYO
東京都江東区豊洲2-1-9 豊洲セイルパークビル4F ☎ 03-6820-7170
東京湾岸の水辺と高層ビル群が見える豊洲エリアに、TIMC TOKYOはオープンする。豊洲駅から徒歩3分の豊洲セイルパークビル4階に立地し、羽田空港や都心主要駅へのアクセスも良好だ。
導入した医療機器について服部篤彦事務長は、「検査項目を中心に考え、汎用性と精密性を兼ね備えた医療機器を選びました」と強調。全身PET‑CT検査を導入したのも、検査項目としての必要性を考慮したことによる。PET-CTはPET(陽電子放出断層撮影)により、細胞の代謝活動を可視化し、CT(コンピュータ断層撮影)で臓器や組織の詳細な形状を確認、がんの早期発見や診断に寄与する。
検査項目は従来の人間ドックを超える精密さを追求。画像診断機器として、GEヘルスケアのSIGNA Champion MRI(磁気共鳴画像診断)を導入し、脳・血管を含むMRI/MRA(磁気共鳴血管撮影)検査と、膵臓にフォーカスした腹部MRIとMRCP(胆管膵管撮影)を実施。
CT(コンピュータ断層撮影)検査では、低線量肺がんCTに加え、画像データをAI(人工知能)で解析し、がん以外のさまざまな疾患の発見に注力。内臓脂肪計測CTにも対応している。骨密度計測では、骨の微細構造を評価する指標(TBS)を用い、骨密度のみでは把握できない骨強度を見極める。
婦人科検査では、婦人科医が超音波検査を行い、子宮や卵巣の状態を精細に診断。3Dマンモグラフィーはトモシンセシスとも呼ばれ、従来の2Dマンモグラフィーに比べて乳がんの診断精度を向上させる。
検査後の対応や説明にも力を入れ、PET‑CT の読影はPET専門医が担当、希望があれば、検査当日に医師が直接説明する。さらに、採血を含む検査結果も、当日中に医師が直接説明する姿勢を貫く。服部事務長は「お客さまお一人おひとりに時間をかけ、疑問があればすぐに対話できるようにしたい。説明の遅れによる不安をなくし、健診サービスの信頼性を高めていきたいと考えています」と力を込める。
施設内の快適性やホスピタリティもTIMC TOKYOの特徴だ。待機スペースはトイレやソファーなどを完備した個室で、自分だけの空間でくつろぐことができる。また、案内・誘導システムにも工夫があり、タブレット端末で次の検査場所や待ち時間を見える化などし、受診者の動線と心理に手厚く配慮している。
スタッフは新規採用を基本とし、服部事務長は「お客さまに対するおもてなしの場であるという意識をスタッフ全員で共有しています」とアピールする。
人間ドックのコースは基本コース(1日間)、総合コース(1日間)、総合PETコース(2日間)があり、日数や検査項目に応じ選択が可能。
オプション検査として未病診断の検査(がん遺伝子検査、エクソソーム検査)、特定部位のMRI、婦人科追加検査などを加えることができる。エクソソーム検査とは血液中から、がん特有のエクソソーム(細胞内の情報を運ぶ細胞外小胞)を検出することで、膵臓がんの罹患リスクを判定する検査だ。
TIMC TOKYOの大きな特徴として、予防医学と再生医療の融合がある。未病の段階での可視化と早期介入を行い、必要に応じて再生医療や免疫療法といった先端的な治療へつなげるための設備を設けた。
浅原孝之院長は「これまで経過観察とされてきた初期状態や未病段階でも、研究や科学的根拠があるものについては、治療を開始する価値があると考えられるようになってきています。人間ドック専門施設に、再生医療を含めた健診後のフォローアップ体制を構築する意義はあると思います」と意欲的。湘南鎌倉総合病院(神奈川県)との連携を前提に、病気が見つかった場合の治療や、フォローアップのための継続的な利用が可能な体制を視野に入れる。
TIMC TOKYO は病気を見つけるための場所ではなく、「病気にならないための健診を行う場所」(浅原院長)。単なる検査の提供にとどまらず、受診者一人ひとりのライフスタイルや価値観に寄り添うオーダーメイド型の予防プログラムを設計・提案していく。
一方、昨年8月に開設したTIMC OSAKAは、西日本最大のターミナルであるJR大阪駅直結のJPタワー大阪11階にあり、一般的な人間ドックではオプションで行うようなメニューや歯科検診を標準コースに組み入れるなど「充実した検査項目」と、全室個室など「居心地の良い空間」が特徴だ。JPタワーは昨年4月に完成した大型複合施設で、オフィスや劇場、ホテルなど、さまざまな機能を備え、同7月末には建物内の一角を占める商業施設「KITTE大阪」もグランドオープンした。
浅原孝之 TIMC TOKYO院長
TIMC TOKYOでは、ひとりでも多くの方が健康について「気づき」を得られる場をつくりたいと考えています。予防医学とは、ただ病気を発見するだけでなく、未病の状態を可視化し、悪くなる前に手を打つ医療だと捉えています。そのため、人間ドックにとどまらず、もし必要があれば、再生医療や免疫療法など、先端的なケアを組み込む仕組みを備えることに腐心しました。
豊洲ならではの立地環境を生かし、海外からのお客さまにも安心してご利用いただけるよう、多言語対応にも力を入れています。「日本に来る価値がある健診」をご提供するのが目標です。また、待ち時間や不安をできるだけ抑え、受診後の結果説明やフォローアップについても専門スタッフが丁寧に対応し、皆さまがご自身の健康と真剣に向き合える環境に尽力してまいります。
TIMC OSAKAの経験から学びつつ、当施設ではPET‑CTの導入、検査項目の拡充、再生医療への布石といった新しい挑戦を重ねています。健康とは人生の土台です。ここで得られた安心と気づきが、皆さまのこれからを豊かにするものとなりますよう、スタッフ一同、全力を尽くす所存です。(談)