
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

Tokushukai medical group newspaper digest
2025年(令和7年)09月08日 月曜日 徳洲新聞 NO.1508 1面
「アフリカが手にするべき未来が、世界の未来と一緒にあるべき」と東上理事長
今後も技術支援と継続教育の必要性を訴える齋藤センター長
徳洲会がタンザニアに建設予定の「腎臓病・移植センター」
徳洲会は8月20日から3日間、神奈川県で開催された第9回アフリカ開発会議(TICAD9)に参加した。21日には「TICAD8から始まったアフリカ全土に裨益するチュニジアでの保健事業〜徳洲会、JICAと共に」と題するセミナーを、アフリカ開発協会と共催、東上震一理事長と齋藤滋・湘南鎌倉総合病院(神奈川県)心臓センター長が登壇した。
東上理事長は「国際支援事業の歩みと理念」と題し講演。徳洲会の“生命だけは平等だ”の理念は、医療へのアクセスが不平等な現実に対する強い問題意識から生まれたものであり、その実践が国際支援につながっていると強調した。
徳洲会は世界42カ国と協力覚書(MOU)を締結し、透析センター開設や透析機器の寄贈など支援を展開。2018年にタンザニアで実施した腎移植プロジェクトは、現地メディアにも大きく取り上げられ、徳洲会の支援がアフリカ医療の質向上に寄与していることを印象付けた。最後に、「アフリカの医療が世界に比べて遅れているのだとするなら、アフリカが手にするべき未来が、世界の未来と一緒にあるべきです」と力強く結んだ。
齋藤センター長は「第三国研修一回目を終えて~混沌の中から始まった」と題し講演。アフリカでは僧帽弁狭窄症が依然として深刻な課題であるとし、治療に有効なPTMC(経皮的僧房弁交連切開術)の重要性と技術継承の必要性をアピールした。
チュニジアで行ったJICA支援による第三国研修では、同国を含むアフリカ8カ国の医師が参加し、PTMCの講義と実技指導を実施。さらに、チュニジア側からの強い要望により、CTO(慢性完全閉塞病変)治療の実演も行い、現地医師たちの高い意欲に応えた。「今こそ行動の時」として、今後も技術支援と継続教育の必要性を訴えた。
徳洲会は今後も、アフリカでの人材育成と医療技術の普及を通じ、現地の医療水準向上に貢献していく姿勢を明確にしている。TICAD9での発信は、その取り組みが確かな手応えをもって前進していることを内外に示す機会となった。