徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2025年(令和7年)08月25日 月曜日 徳洲新聞 NO.1506 3面

徳洲会感染管理部会
ICP育成コース修了24人
2学会で演題発表し集大成

徳洲会感染管理部会の「第2回感染管理実務担当者(ICP)育成コース」受講者24人は、コース修了の集大成として、日本環境感染学会総会・学術集会(7月10~12日、神奈川県)と日本医療マネジメント学会学術総会(7月18~19日、宮城県)で、それぞれ演題発表を行った。両学会では徳洲会から多くの演題発表があった。

日本環境感染学会総会・学術集会では8人が発表日本医療マネジメント学会学術総会では16人

ICP育成コースは感染管理の実務担当者の育成を目的に、徳洲会感染管理部会が行っている研修プログラムで、事務職を含む多職種の医療従事者が対象。特徴的なのは、学会発表をカリキュラムに取り入れている点だ。

同コースでは3月14~15日に修了式を開き、「学会形式による成果発表」を実施。ここから内容をさらにブラッシュアップし、日本環境感染学会総会・学術集会では8人がポスター発表、日本医療マネジメント学会学術総会では16人が登壇し、13人が口演、3人がポスター発表を行った。

なかでも日本医療マネジメント学会では、徳洲会病院からの演題のみのセッション「医療の質」もあった。多職種がそれぞれの専門性を生かし、実践的かつ施設の実情に即した内容を報告、聴講者の興味を引いた。

野崎徳洲会病院(大阪府)の上田亜佑美・看護副主任は「HCUにおける人工呼吸器関連肺炎予防の取り組み」と題し発表。看護師の知識不足を背景に、麻酔科医師による勉強会を実施。VAP(人工呼吸器関連肺炎)バンドルの実施率向上に取り組み、とくにSAT・SBT(自発覚醒・呼吸トライアル)の実施率が大きく向上した。

大隅鹿屋病院(鹿児島県)の鵜瀬準一・看護副主任は「ICUにおける手指衛生剤使用量と遵守率向上に向けた取り組み」を発表。ICU(集中治療室)での手指衛生剤使用量が一般病棟を下回っているという課題を受け、アンケート調査や勉強会、直接観察とフィードバックを実施。結果、使用量は目標を上回る71㎖/患者・日となった。

成田富里徳洲会病院(千葉県)の石倉みどり薬剤師は「病棟担当薬剤師における手指消毒の知識の獲得と手指消毒量増加への取り組み」を報告。薬剤師の手指衛生に着目し、携帯用消毒薬の使用量を可視化した。勉強会後、1件の服薬指導当たりの使用量は約2倍に増加、今後は継続的な取り組みが必要であるとした。

野崎病院の近本大・救急救命士副主任は「救急外来における手指衛生遵守率の向上に向けた取り組み」を紹介。救急外来での順守率が低かったことから、タイミング別チェックと勉強会を行い、実施率を改善。アンケート結果からもスタッフの意識改革が図られ、今後の継続的な啓発が期待されるとまとめた。

大隅鹿屋病院の東優利・理学療法士は「汚染度の数値化による清掃効果の考察」と題し発表。リハビリテーション機器の清掃前後でATP(汚れに関する指標)測定を実施。清掃の効果は認めたが、清掃後も高度汚染が残っているという結果になり、交差感染防止のため、より徹底した清掃と対策の必要性を訴えた。

宇治徳洲会病院(京都府)の増山美佳・看護師長は「手指衛生直接観察に関するリンクスタッフ教育の取り組み」。個人学習群とグループ学習群に分けて教育効果を比較、グループ学習の方が模範解答との差が小さく、知識の定着に効果的と報告した。

福岡徳洲会病院の北島千春・診療放射線技師主任は「診療放射線技師の感染対策意識改善に向けた取り組み」を発表。感染情報の確認方法の改善と勉強会を実施し、診療放射線技師の感染対策意識向上を実現。電子カルテの見直しや教育によって、主体的な感染対策の実施が可能になったと結んだ。

また両学会ともに、同コース修了者以外にも徳洲会グループの病院・施設から多数の演題発表があった。日本環境感染学会では計18演題(すべてポスター)、日本医療マネジメント学会では計47演題(口演40演題、ポスター7演題)の発表があり、感染管理や医療の質向上に向けた現場での地道な努力と取り組みを広く共有した。

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