徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2025年(令和7年)07月28日 月曜日 徳洲新聞 NO.1502 2面

日本腎臓学会
日髙・湘南鎌倉病院センター長
ベストアブストラクト賞を受賞

第68回日本腎臓学会学術総会が6月20日から3日間、神奈川県で開催され、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の日髙寿美・腎臓病総合医療センター長がベストアブストラクト賞を受賞した。シンポジウムには札幌徳洲会病院の小川弥生・病理診断科部長が登壇。

「患者さんのQOL向上に貢献したい」と日髙センター長小川部長はANCA関連血管炎の腎病理について解説

日髙センター長は「常染色体顕性多発性嚢胞腎(ADPKD)における嚢胞増大に関連する新規遺伝子の空間トランスクリプトミクス解析」がテーマ。ADPKDは遺伝性の腎疾患で、腎内に嚢胞が多数形成され、腎機能が低下する。患者さんの多くが60歳前後で透析に移行し、治療法の開発が急務となっている。

同研究は、腎不全に至ったADPKD患者さんの摘出腎臓からRNAを抽出、空間トランスクリプトミクス解析を活用し、嚢胞形成にかかわる細胞の位置関係や遺伝子発現を網羅的に解析した。従来の解析では困難だった細胞同士の関係性を空間的に可視化。これにより嚢胞が発生する尿細管細胞の由来を明らかにし、未報告の細胞タイプを5種類、新たな遺伝子を約10個同定した。

これらは創薬につながる可能性があり、日髙センター長は「新薬により透析導入を遅らせ、患者さんのQOL(生活の質)向上に貢献したい。遺伝的背景を抱える患者さんに、自分の腎臓で暮らせる未来を提供したい」と語気を強めた。同研究にはサルべコフ・アマンケルディ湘南先端医学研究所主任研究員が多大な協力を行った。

小川部長はシンポジウム「血管炎診療の世界基準と我が国の状況」で、「ANCA関連血管炎の腎病理~エッセンスとupdate~」と題し、腎組織に見られる壊死性半月体形成性腎炎や壊死性動脈炎、さらに免疫沈着の特徴を解説。とくに近年注目されるAKRiS分類や免疫組織化学的検出に基づいた予後評価、さらにはMPO陽性膜性病変との関連にも言及し、最新の研究成果を日常診療に生かす重要性を訴えた。

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