
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

Tokushukai medical group newspaper digest
2025年(令和7年)07月07日 月曜日 徳洲新聞 NO.1499 3面
徳洲会感染管理部会は6月13日から2日間、宇治徳洲会病院(京都府)で2025年度全国会議を開いた。部会の方針として手指衛生のさらなる強化を示し、外部講師による講演や具体的な方策を話し合うグループワークなど行った。各地域の活動報告なども実施。グループの各病院感染管理担当者、専門部会のメンバーら80人が出席。
手指衛生をテーマに各病院の感染管理担当者、専門部会のメンバーらが研鑽
会議の冒頭、一般社団法人徳洲会(社徳)の深野明美・医療安全・感染管理部部長が挨拶。感染管理の基本として、あらためて手指衛生の重要性を強調しながらも、組織全体に定着させる難しさを指摘し、「自院で取り入れられる工夫などを、ひとつでも見つけてください」と呼びかけた。
続いて、統括副部会長で同部の藤澤律子次長が同部会について説明。成り立ちや目的、現状を紹介し、主な課題には①リソース(主に人的資源)の偏在、②部会活動の周知不足、③グループ内で発生したアウトブレイク(集団感染)の早期察知――を挙げた。これらをふまえ2025年度の方針として、人材育成(感染管理実務者の育成)、人材活用(部会活動への積極参加)、部会活動のアピール、アウトブレイク発生時の報告・対応方法の見直しを掲げた。
あわせて、部会執行部に新たに情報発信とIT(情報技術)の各担当者を配置し、国内外の感染に関するタイムリーな情報共有や予防対策の周知、感染管理システムの課題解決・新規導入のサポートに部会として努める点も示した。
24年度手指衛生キャンペーンの取り組み事例として、近江草津徳洲会病院(滋賀県)、白根徳洲会病院(山梨県)、岸和田徳洲会病院(大阪府)が発表した後、「外部講師セミナー」を実施。下志津病院の鈴木由美・感染症内科医長が「WHO⼿指衛⽣多⾓的戦略をHHSAFを活⽤しながら進めよう」と題し講義した。
HHSAFは、手指衛生に関する自施設の推進と実践状況を分析するツール。「⼿指衛⽣⾃⼰評価フレームワーク」と呼ばれ、①物品設備、②研修教育、③測定評価、④現場掲⽰、⑤組織⽂化の5つの要素をスコア化し、俯瞰的に評価する。近年、多角的な戦略で手指衛生に対する臨床現場の行動変容を促し、成果を上げているスイス・ジュネーブ大学が注目を集め、WHO(世界保健機関)が同大学の取り組みを参考に作成した。
鈴木医長は自院の取り組みを紹介しながら、同ツールを活用するポイントを提示。自己評価と改善を繰り返し「5年以上かけて取り組むことを推奨」などと、時間をかけ、優先順位を付け、段階的に臨むことや、「あくまでも“手段”であって“最終的な目的”ではない」ことを強調した。
講義後、グループワークを実施。自施設でHHSAFを用いて改善できることや、有効活用について意見交換し発表し合った。
このほか、24年度の活動と25年度の活動計画を各担当副部会長が発表。業務担当は手指衛生キャンペーン、教育担当は感染管理実務者研修、法令担当は巡回ラウンド評価などについて説明した。各ブロックで実施している医療・介護セミナー、同部会に参加している専門部会(薬剤部会、検査部会、リハビリテーション部会、栄養部会)代表者による報告も行った。
最後に部会長の佐藤守彦・湘南鎌倉総合病院(神奈川県)感染対策室部長が挨拶。学びが多く充実した2日間だったことを振り返るとともに、参加者が所属する各病院の幹部やスタッフに謝意を示した。