
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

Tokushukai medical group newspaper digest
2025年(令和7年)07月07日 月曜日 徳洲新聞 NO.1499 3面
「実診療のなかからも患者さんの治療に役立つエビデンスを示していきたい」と福井・主任部長
湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の福井朋也・呼吸器内科主任部長は第65回日本呼吸器学会学術講演会で、徳洲会リアルワールドデータ(TREAD)プロジェクトの研究成果を発表した。「高齢(75歳以上)進展型小細胞肺がん患者に対するがん薬物療法:徳洲会リアルワールドデータプロジェクト(TREAD 06)」をテーマにミニシンポジウムで口演。
進展型小細胞肺がん(ED-SCLC)は予後不良な難治性疾患のひとつ。近年は初回薬物療法として免疫チェックポイント阻害薬(ICI)を併用した治療の有効性が示されている。
「一方で、高齢の患者さんの場合、ICIが効きにくいという臨床経験をおもちの先生方は多いと思いますし、実際、そういった内容を裏付ける研究報告もあります。そこで徳洲会のスケールメリットを生かしたTREAD研究として、高齢ED-SCLC患者さんに対するICI併用の有効性を検討しました」(福井・主任部長)
今回の研究では初回プラチナ併用療法を受けたED-SCLC患者さんを抽出して全生存期間を解析。対象となるED-SCLC患者さんは全体で590人おり、75歳以上は197人。このうちICI併用は96人だった。
福井・主任部長は「解析の結果、全生存期間に与えるプラチナ併用療法へのICI上乗せ効果は限定的でしたが、ICIが有効な高齢患者さんも一定数いますので、治療効果と副作用のリスクベネフィットを考慮して適応を判断することが望ましいです」とまとめた。
福井・主任部長は今後、非小細胞肺がん(NSCLC)を対象としたTREAD研究にも取り組んでいく考えで、データ抽出を進めているところだ。
「徳洲会らしい日本の現状を反映したビッグデータを活用し、高齢で併存疾患があるような患者さんを多く診ている市中病院の先生方の治療に役立つエビデンス(科学的根拠)を示していければと考えています」と抱負を語っている。