
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

Tokushukai medical group newspaper digest
2025年(令和7年)06月23日 月曜日 徳洲新聞 NO.1497 4面
要介護の高齢者の方々のための生活施設は、目的や特徴などに応じ、グループホームや有料老人ホームなど、さまざまな施設があり、特別養護老人ホーム(特養)は、その代表的な施設です。病院と在宅との中間施設という位置づけの介護老人保健施設(老健)と異なり、特養は“終の棲家”として終身利用が可能で、現在では多くの特養が看取りにも対応しています。今回は特養の施設特性などについて、特養かまくら愛の郷の櫻井健一施設長が解説します。
櫻井健一 特養かまくら愛の郷(神奈川県)施設長
特養は原則として「65歳以上」、「要介護3以上」という入居条件があります。ただし、40歳から64歳の方でも厚生労働省が定める特定疾患によって要介護3以上と認定された場合は入居できます。
ユニット型特養ではフロア中央にあるリビングダイニングスペースを取り囲むように居室(個室)を配置
介護保険が適用され、入居一時金は不要、月額費用(介護サービス費、居住費、食費、その他)も比較的抑えることができることから人気が高い施設です。そのため、地域によって濃淡はありますが、特養の入居待機者数は厚労省の調査によると、2022年4月1日時点で全国に約25万3,000人。19年の前回調査から約3万9,000人の減少が見られますが、依然として高水準が続いています。
施設の職員は入居者さんに対し、入浴や排泄、食事などの介護、その他日常生活のお世話、機能訓練、健康管理および療養上のお世話を行います。
職員の配置は、入居者さんの健康管理と療養上の指導を行うために、医師の配置が義務付けられていますが、通常は常駐ではなく地域の医療機関と業務委託契約を結び、医師が特養に出向く訪問診療を行うのが一般的です。また、入居者さん3人ごとに介護職員または看護職員を1人配置することが定められています。
ケアのスタイルや建物の造りによって、特養は「従来型」と「ユニット型」に大別することができます。
ユニット型特養とは、入居者さんを10人前後の小グループに分け、それぞれをひとつの生活単位(ユニット)として、ユニットごとに介護を提供する施設です。
原則、居室は個室で各ユニットには共同生活室(リビングダイニングスペース)、洗面設備、トイレの設置などが義務付けられています。プライバシーが確保され、小集団ならではの「家庭的な雰囲気」のなかで過ごせるのが特徴です。個室であるため、看取りの際には周囲を気にせず、ご家族との時間をゆっくりと過ごしていただけます。
以前の特養(従来型)は1部屋に2~4人の入居者さんが過ごす相部屋で、“集団ケア”が一般的でしたが、より尊厳を守るケアを求める観点から、ユニットケアを採用する特養が増えており、現在の主流となっています。
ユニット型特養ではユニットごとに「常勤のユニットリーダー」、「昼間は1人以上の介護職員または看護職員」を配置することなどが求められます。ユニットごとに職員を固定するケースが多く、入居者さんの性格や生活リズムなどを把握しやすいため、1人ひとりの入居者さんの状況や体調に合わせ、食事や入浴などに柔軟に対応するなど“個別ケア”を実践します。
当施設もユニット型で全11ユニットあり、全室個室、定員は110人です。ほかに定員20人の短期入所(ショートステイ)にも取り組んでいます。ショートステイはレスパイト(介護者の休息)などを目的に要支援1からの利用が可能です。またショートステイの利用を通じ当施設の雰囲気を知っていただき、その後、入居の申し込みにつながるケースが多いです。