徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2025年(令和7年)05月05日 月曜日 徳洲新聞 NO.1490 3面

徳洲会医療安全管理部会
事故の発生予防・再発防止へ研鑽
2024年度全国会議に120人が参加

徳洲会医療安全管理部会は3月22日、2024年度全国会議を開催した。「組織で取り組む医療安全~再発防止と均質化の追求~」をテーマに掲げ、全国各ブロックの活動状況を共有したり、外部講師を招聘して危険予測・事故発生予防に有益な講義を受講したりするなど研鑽を積んだ。会議には徳洲会グループ各病院の医療安全管理者や医療安全管理専任医師ら約120人が参加。徳洲会グループでは患者さんが安心して医療を受けられる環境の整備や、医療事故の未然防止・再発予防に注力している。

徳洲会医療安全管理部会の役員ら(前列右から西村和恵・副部会長、上野正子・副部会長、深野部長、大坪部会長、吉田・副部会長、加藤由美・副部会長)全国のグループ病院から医療安全管理者らが参集

冒頭、同部会の部会長である大坪まゆ美・一般社団法人徳洲会(社徳)医療安全・感染管理部顧問が登壇し、会議のプログラムを紹介したうえで、「グループ全体の医療の質を高め、患者さん・ご家族から信頼を得ることが重要です。そのために、皆さんと力を合わせていければと考えています」と開会の挨拶。続いて、社徳の深野明美・医療安全・感染管理部部長が「少しでも皆さんが活動しやすくなるような支援ができればと思っています」と挨拶し、医療安全管理者としてブラッシュアップしていくことの重要性を強調した。

最初のプログラムとして、同部会の副部会長である吉田和子・武蔵野徳洲会病院(東京都)医療安全管理室長が各ブロックと各ワーキンググループ(WG)の「2024年度活動報告 総括」をテーマに発表。吉田室長は同部会の組織体制を紹介したうえで、ブロックごとの活動状況を報告。転倒転落の防止やリストバンド装着率の改善など各ブロックの2024年度の目標と達成状況、さらに25年に向けた課題などを説明した。

続けて、部会内に設置している転倒転落WG、医療の質・標準化WG、インシデントレポートシステムWGについて、24年度目標・結果、活動内容に言及。

次いで「再発防止に向けた医療安全専任医師の役割」をテーマにパネルディスカッションを実施。札幌東徳洲会病院の國部勇副院長(耳鼻咽喉科兼頭頸部外科)、湘南厚木病院(神奈川県)の山室博・放射線科医長、名瀬徳洲会病院(鹿児島県)の平島修副院長(内科)の3人のパネリストが順にプレゼンテーションを行った。

國部副院長は外来患者数や救急搬送件数、手術件数など札幌東病院の概要を紹介したうえで、医療安全管理体制やインシデント・アクシデント報告数に言及。また、同院の医療安全活動として、「平時」の活動と「有事」の対応を挙げ、「平時の対応がうまくいかないと有事の的確な対応につながりません」と指摘した。

さらに、医療安全専任医師の役割として①多職種がそれぞれの知識や経験を生かした活動の充実を図る、②病院内の医療安全に関する職員の意識向上や指導を行う、③医療安全に関する企画立案や評価を行う、④医療安全の体制や活動の充実を図る、⑤外部との連携を促進する──を列挙した。

山室医長は24年度に再編した湘南厚木病院の医療安全管理体制を紹介し、セーフティマネジメント委員会や、同委員会に属する複数のワーキンググループの活動内容など紹介。医療安全専任医師の役割については①医療安全管理体制の構築と運営、②マニュアル・ガイドラインの整備、③教育・研修の実践、④安全文化の醸成、⑤報告しやすい環境の整備、⑥インシデント・アクシデントの分析と再発防止策の立案、⑦現場と経営層をつなぐ橋渡し──など挙げた。

FMEA通じてエラーの発生 しにくい業務プロセス学ぶ

平島副院長は離島内外で取り組んでいる教育活動や、医療安全活動とのかかわりなどを紹介したうえで、医療安全にとって重要なこととして、「その病院で働いている人のモチベーションが上がること」や「スタッフが困っている時に相談できる環境」の重要性を強調。「これらを医療安全の軸に置き、医療スタッフが安心して医療を提供できることによって、その先に、患者さんの幸せにつなげられると考えています」と訴えた。

この後、湘南大磯病院(神奈川県)の権藤学司院長が司会を務め、職員が主体性をもって医療安全活動に取り組むためにはどうすれば良いかなどをテーマに、会場からの質問や意見も交えながら、パネリストが討議を行った。

外部講師を招聘して実施した講義・ワークのプログラムでは、電気通信大学産学官連携センターの田中健次・特任教授が「危険個所の予測と事故の発生予防のためのFMEA」をテーマに講演。FMEA(故障モード影響分析)はFailure Mode and Effects Analysisの略。

「『すでに検討され決められた』、『慣習的に実施されている』作業方法のなかに潜む問題を発見し、未然に防止するための信頼性手法」であり、「製品・製造工程に潜む潜在的な欠点を見出すための構成要素の故障モード(エラーモード)と、その上位システムへの影響を解析する技法」と田中・特任教授は説明。輸血や人工呼吸器を例にFMEAの実践方法を学び、エラーの発生しにくい業務プロセスについて見識を深めた。

最後に大坪部会長が「重大事故等検討分科会活動報告総括」として、同分科会の概要や活動状況など報告。また、重大事故発生時の医療安全管理部門への報告手順や対応内容、グループの全職種・全職員を対象に配信している医療安全の研修動画について、あらためて周知した。社徳の福田貢・副理事長が閉会の挨拶を行い、すべてのプログラムを終了した。

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