徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2025年(令和7年)04月28日 月曜日 徳洲新聞 NO.1489 2面

病気のはなし181
追加接種の推奨も
百日ぜきの流行

百日ぜきの感染者数が過去最多を3週連続で更新している。2025年15週(4月7~13日)の感染者数は全国で1,222人。18年から翌19年にかけての流行時よりもハイペースで増加しており、各自治体が注意喚起している。

百日ぜきは5類感染症で、全数把握対象疾患だ。けいれん性の激しいせきが特徴で、小児を中心に感染し、成人の重症化例は少ないものの乳幼児は重症化しやすい。とくに乳児期早期では「百日ぜき」の名から連想されるせきをともなわないこともあり、無呼吸発作からチアノーゼに悪化、最悪の場合は生命にかかわることも。治療は抗菌薬、抗生物質の投与が有効で、通常は長くても2~3週間で激しいせきは治まるが、現在、従来の薬が効きづらい耐性菌が増加してきており、問題となっている。

予防に有効なのがワクチンだ。日本では生後3カ月からの定期接種に組み込まれているが、百日ぜきワクチンは免疫効果が4~12年で減弱するため、小学校に上がる頃には予防効果が薄れる。このことから、日本小児科学会は就学前からの追加接種を、日本産婦人科学会は全妊婦さんに対し妊娠中の追加接種をそれぞれ推奨。

感染経路はせきなど飛沫感染と、飛沫が付着した場所を触った手指で口などを触ることによる接触感染で、ワクチン以外の予防手段としては手洗いやマスクが有効だ。

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