徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2025年(令和7年)04月21日 月曜日 徳洲新聞 NO.1488 2面
徳洲会感染管理部会は「第2回感染管理実務担当者(ICP)育成コース」を開講、約1年に及ぶカリキュラムを終え25人が修了した。これは部会独自の認定制度で、グループ内の感染管理の標準化と質向上、感染管理実践者の育成が目的。3月14~15日に修了式を開いた。
約1年のカリキュラムを終え25人が修了
修了式の前に講義やグループワークを実施
ICP育成コースは事務職を含む医療従事者が対象。研修生は事前課題(約6時間のeラーニング)を経たうえで、西日本では昨年5月、東日本では昨年6月から、2カ月に1回の集合研修をスタートさせた。西日本は副部会長(教育担当)の江口比呂美・宇治徳洲会病院(京都府)感染防止対策室看護師長、東日本は工藤智史・武蔵野徳洲会病院(東京都)感染管理室師長が統括した。
同コースの特徴は学会発表を組み込んでいる点。研修生は研修中に自施設の課題を分析し、学会発表に向けて取り組んだ。修了式ではコースの集大成として、学会形式での成果発表を実施、さらにブラッシュアップさせ、第27回日本医療マネジメント学会学術総会(7月18~19日、宮城県)などで発表を行う計画だ。
修了式では、まず副部会長の澁谷豊克・八尾徳洲会総合病院(大阪府)感染対策室長(副看護部長)が「事故分析」、伊藤恭子・福岡徳洲会病院感染管理室長が「小論文の書き方、学会発表のポイント」をテーマにそれぞれ講義した。事故分析ではグループワークも実施。ヒヤリハット事例をもとに、Quick SAFER分析(行動モデルに基づくヒューマンエラー事象分析)を用い、看護師ごとに行動分析を行った。
続いて、認定審査をはさみ、研修生一人ひとりが成果発表を実施。テーマは手指衛生順守率向上の取り組み、感染性医療廃棄物の適切な分類、食品衛生管理など多岐にわたった。質疑応答でも「学会参加のシミュレーション」として積極的な発言を心がけていた。成果発表の後には執行部から、データの分析方法や発表資料の見せ方、質問があった時の答え方など細部にわたりアドバイスをした。
25人の研修生は、部会長の佐藤守彦・湘南鎌倉総合病院(神奈川県)感染対策室部長から修了証、同部会統括副部会長の藤澤律子・一般社団法人徳洲会医療安全・質管理部次長から、ICP認定取得者であることを示すオリジナルピンバッジを受け取り、それぞれ今後の課題や展望などを発表。「感染管理認定看護師教育課程に入学し勉強を継続します」、「ICT(感染対策チーム)の活動に参加します」、「病棟内における感染対策の課題を明確にし、問題解決のためにリーダシップを発揮します」など、さまざまな声が聞かれた。
最後に、佐藤部会長は「皆さんのなかから、徳洲会グループの感染対策の未来を背負って立つ人材が育つことを願っています」と呼びかけ閉会。江口・看護師長は「ここで学んだことを生かし、各施設や地域が、どう変わっていくか楽しみです」と期待を寄せた。