
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2025年(令和7年)02月17日 月曜日 徳洲新聞 NO.1479 1面
第15回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会が3月15日から2日間、神奈川県のパシフィコ横浜会議センターで開催される。大会長を務めるのは湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の小林修三院長。テーマは「楽しいから始める腎リハ~ウェルビーイングな暮らしを求めて」。医師、理学療法士、看護師など多職種に加え、行政、企業に至るさまざまな分野の会員が一堂に会する。参加人数は2,000人を見込む。研究成果や医療現場で抱える問題点などについて、有意義な議論を積み重ねる場となりそうだ。会場には徳洲会の巨大展示ブースも出展する。
第15回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会のポスター
腎臓リハビリとは腎不全の患者さんに対し、運動療法、教育、食事療法、精神的ケアなどを行う内部障害リハビリ。運動療法がメインとなり、栄養低下や炎症複合症候群の改善、異化抑制、運動耐容能改善、QOL(生活の質)改善などをもたらす。
日本腎臓リハビリテーション学会は2011年、腎臓リハビリの普及、医学的発展を目的に設立。18年に『腎臓リハビリテーションガイドライン』の発刊、腎臓リハビリ指導士制度の確立、22年に透析時運動指導等加算の算定などを果たした。
小林院長が日本フットケア・足病医学会の初代理事長を務めていた当時、日本腎臓リハビリテーション学会の上月正博・初代理事長から誘われ、同学会の理事に就いた。小林院長は「足がないとリハビリはできません。そして、足の機能維持にはリハビリが重要です。両学会は関連し合っており、互いに支援していくことが必要だと考えました。今回の学術集会でも、あらためてフットケアの大切さを考えていただきたいと思います」と力を込める。
第15回学術集会の大会長を務めるにあたり、小林院長が掲げた課題のひとつが「腎臓リハビリの継続率を上げること」だ。そのためには、楽しみながらリハビリを行うこと、生活のなかに取り込むことが大切。さらに、音楽療法など新たなアプローチも提案、チーム医療の重要性も掲げる。
こうした考えを具体化したプログラムは多岐にわたる。小林院長による大会長講演は、「楽しいから始める腎臓リハビリテーション~ウェルビーイングな暮らしを求めて」がテーマ。腎臓リハビリを取り巻く背景や課題、今後の展望などを示す。
特別招請講演は6演題。藤田浩之Quality Electrodynamics創業者(社長兼最高経営責任者)は「道なき道を行け」と題し講演。米国で医療機器メーカーを興して現地で雇用を生み出し、輸出製造業を成功に導いた藤田社長が、日本が見失っているものは何か、「世界を知らない日本人」に見えていないものは何か、独自の視点で解説する。
黒岩祐治・神奈川県知事は「Vibrant INOCHI~未病(ME-BYO)改善の取組~」がテーマ。未病とは、健康と病気を連続的変化ととらえる概念で、県は食事・運動・社会参加を通じ未病改善に取り組んでいる。これは腎臓リハビリが目指す目的と合致しており、「楽しいから始める腎リハ」というテーマとも共通したアプローチとなる。
米田功・徳洲会体操クラブ監督は「世界を魅了する最強で最高のチーム作りについて」がテーマ。腎臓リハビリに重要なチーム医療にも通じる内容で、米田監督が自らの経験をもとに講演する。また、有森裕子・元プロマラソン選手が「よろこびを力に…」、俳優のとよた真帆さんが「夢をかなえる成功の鍵〜健康・絆・おしゃれ」、秋野公造・参議院議員が「重症化予防と共同意思決定の推進に向けて」と題し、それぞれ講演する。
特別講演は2演題。東上震一理事長が「世界に向けた徳洲会の存在意義とその目指すところ」、藤本禮子・一般社団法人日本音楽療法学会理事長が「音楽療法の重要性と今後の展望~リハビリテーションと音楽療法~」をテーマに、それぞれ講演。
「よくわかるシリーズ」では、多職種からの視点で「明日から臨床に役立つ」知識や技能を習得。実際に手を動かして学べる「ハンズオン」などもある。一般演題は過去最多の238演題に及ぶ。
初日の最後には、懇親会「ワインとJAZZの夕べ」も企画。小林院長は「鎌倉ワイナリーの夏目シンゴ社長によるワインセミナー、サックス奏者の田中アユミさんによるJAZZ演奏など、楽しんでいただける企画を用意しています」と呼びかける。
「医療は手術や薬物療法だけではありません。学術集会を通じ、ケアの大切さやアプローチ方法を伝えたい。多くの徳洲会病院で透析を実施していますが、ぜひ今回の学術集会で学んでいただき、徳洲会の存在意義を向上できれば良いと考えます」と小林院長。「日本の医療を変えたいという思いで取り組んでいます」と意気込んでいる。