
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2025年(令和7年)02月03日 月曜日 徳洲新聞 NO.1477 4面
徳洲会放射線技師部会は、グループ全施設を対象にモニター品質管理と線量管理を実施している。モニター品質管理とは画像診断の質を担保するために、患者さんのX線やCT(コンピュータ断層撮影)など医用画像を映し出す高精細モニターの輝度や解像度をチェックし、最適な状態に調整すること。線量管理は医療被ばくの最適化を目的に、CTなど撮影時に患者さんへ照射する放射線量を記録、評価することをいう。同部会では、グループ全施設を一元管理できるシステムをそれぞれ導入している。
「一元管理により、自施設では気付けなかった問題点を発見できます」と服部顧問
「部会が一丸となり、継続して適正な評価を行っていきたい」と関根部会長
線量管理システムを確認する服部顧問
徳洲会グループ内で稼働している高精細モニターは計2,794台(2024年10月現在、77施設)。これを一元管理するため、徳洲会放射線技師部会顧問の服部篤彦・鎌ケ谷総合病院(千葉県)診療放射線技師(前・放射線科技師長)が中心となり、24年4月に品質管理システムをグ12ループ全施設に導入。現在は、同部会執行部(部会長、副部会長、顧問、ブロック長)が、チームで一元管理している。
導入前、服部顧問は全施設に対し、高精細モニターの品質管理の重要性を伝え、指導してきたが、現場では通常業務に追われ、外付けキャリブレーション(設定の適正化によりモニターの色表示を調整)センサーを導入したにもかかわらず、モニターの管理を徹底できない病院があった。さらに、モニターの管理を診療放射線技師とシステムエンジニアのどちらが行うか明確ではなく、資産管理が行き届いていないケースもあった。
こうした状況の改善にも、同システムの導入は寄与した。導入にあたり、同部会と徳洲会情報システム管理部会(SE部会)がそれぞれの役割を決め、密に連携することで全施設へのフォローをスムーズにできた。
導入当初、服部顧問が全体管理者として、1カ月ごとに全施設のモニターをチェック。同システムをうまく使いこなせない施設管理者(主に診療放射線技師長)には、使用方法などをアドバイスした。「関東にある当院にいながら、医療スタッフが少ない離島・へき地病院のモニターも操作・管理できる環境を構築できました。徳洲会グループの理念に沿うためにも、医用画像を表示する高精細モニターの質に、都市部と離島・へき地で、ばらつきがあってはならないと考えています」と力を込める。
モニターの品質管理には、JESRA(日本画像医療システム工業会が策定した医用画像表示用モニターの品質管理に関するガイドライン)にのっとった不変性試験を用いた。結果、予想以上に輝度の低下しているモニターが現場で使われている実態が判明。24年8月に実施した同試験では、全施設で233台のモニターが不合格となった。
一方、服部顧問は「不合格になったモニターも安易な廃棄は避けました」と強調。キャリブレーションを行うことで、継続利用が可能になったモニターが34台あった。「再試験でも不合格になったモニターは廃棄、交換は避けられませんが、状態を数値で示せるので、納得した買い替えができると思います」。
また、同システムの導入は、モニターの無駄な点灯時間抑制にもつながった。連続点灯はモニターの劣化を早めるため、「無操作15分で電源オフ」の設定を部会推奨とし、各施設で徹底。消し忘れによる24時間超連続点灯のモニターが大幅に減少し、モニターの長寿命化、経費削減に寄与した。
部会長である関根聡・湘南鎌倉総合病院(神奈川県)放射線部診療放射線技師長は「モニター品質管理は、画像診断の質を担保するものであり、医療安全の観点からも重要なことです。また、グループの資産として、1台1台のモニターを大切に使いたいと考えています。今後も部会が一丸となり、継続して適正な評価を行い、適正に使用していきたい」と意気込みを話す。
19年3月に「診療用放射線に係る安全管理体制」について医療法施行規則の一部が改正、20年4月に医療被ばくの線量管理が義務化された。同施策は「医療被ばくの適正管理」が目的。これは線量を最小化することではない。線量を下げすぎて不十分な画質になれば、再撮影が必要になり、無駄な被ばくにつながる。一方、線量を上げれば画質の良い写真ができるが、被ばく量が多くなる。求めるべきは、診断に必要十分な画質だ。
同部会は、グループ全施設が同じ基準で医療被ばくを最適化できるように、対象機器を使用するグループ全施設(66施設)に線量管理システムを導入した(22年4月に完了)。対象機器はCT装置(74施設、125台)、血管撮影装置(48施設、110台)、診療用RI(核医学検査装置、25施設、36台)。CT検査数が1カ月100件未満の施設は同システム導入対象外とし、新しく徳洲会入りした施設は導入準備中であるが、システム未導入の施設も、他施設と同様の基準で管理・記録を行っている。
医療被ばくの最適化は、関連学会が策定したDRL(診断参考レベル)を基準にする。これをもとに、グループ全施設共通の撮影プロトコル(計画)を作成。同システムではプロトコルごとに、自院とDRLとの線量比較が一覧表やグラフで表示できるため、どれが適正値を超えているか一目瞭然だ。
結果を参考に、あらためて線量を低くして撮影を行い、仕上がった画像が診断に資するか検証。逆に自院の線量がDRLを大幅に下回った場合も、診断に使用する画像として適正か、設定が間違えていないかなど検証する。必要であれば、同部会CT分科会のコアメンバーが、各施設で現地指導することもある。
服部顧問は「一元管理を行うことで、部会で決定した基準や管理方法、最適化の手法などを全施設へ容易に展開できます。また、各施設の状況をオンラインで確認可能なため、自施設で気付かなかった問題点を発見、指導できる点もメリットだと考えます」と説明する。
関根部会長は「グループ全施設が横並びで線量管理できるのは、徳洲会ならではだと思います。管理が複雑なCTを軌道に乗せていますが、今後は血管撮影やRIも高精度の管理ができるように、部会を挙げて取り組んでいきます」と意気軒高だ。