
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2025年(令和7年)02月03日 月曜日 徳洲新聞 NO.1477 3面
徳洲会病理部会は千葉県で第11回学術集会を2日間開き、全国から医師や臨床検査技師50人超が参加した。「リンパ腫分類」、「乳腺細胞診」に関する特別講演、「呼吸器細胞診」をテーマにしたシンポジウムに加え、一般演題6演題の発表もあった。
「積極的に意見を言い、自分自身を高める場としてほしい」と青笹・最高顧問
「活発な討議を行えて、実りある学術集会でした」と中塚センター長
1日目の冒頭、青笹克之・徳洲会病理部門最高顧問は「2024年4月時点で徳洲会グループの病理部門には、常勤医師46人、非常勤医師53人、臨床検査技師(病理)115人、うち細胞検査士63人が在籍しています。病理部門の発展に技師の力は不可欠です。本集会では積極的に意見を言って、自分自身を高める場としてください」とエールを送った。
一般演題2演題の発表後、特別講演が2演題あった。加留部謙之輔・名古屋大学大学院医学系研究科臓器病態診断学教授は「ゲノム医療時代におけるリンパ腫分類の方向性」と題し講演。昨年刊行されたWHO分類第5版(造血器腫瘍)を紹介した後、がんゲノム(全遺伝情報)医療に言及。
国内初の造血器腫瘍遺伝子パネル検査が2024年9月に製造販売承認を取得し、今後は適応となる疾患、初発・再発の限定の有無などが焦点になると説明。「パネル検査はリンパ腫診断の約5%に影響を与える可能性があります」と、課題と展望を示した。
大井恭代・相良病院副院長兼病理診断科部長は「乳腺細胞診のポイント」をテーマに講演。乳がんは初期の段階から針生検診断が欠かせないため、明らかな乳がんに対し乳腺細胞診を行う頻度は少ない。しかし、良性病変の診断確定、良悪鑑別困難症例の診断ステップの確認などには必須であると強調し、押さえておきたい良性病変や乳頭状病変の分類などについて、実際の症例を示しながらポイントを解説した。
次いで、中塚伸一・徳洲会大阪病理診断研究センター長が「医療安全の取り組みについて」と題し発表し、長浦淳・静岡徳洲会病院臨床検査技師は「技師運営委員会より報告」を行った。
最後に総会を実施し、青笹・最高顧問が業務報告や同部会の規定などを説明。同部会の目指すものとして①標準的な病理診断の提供、②地域医療貢献・病病連携による病理診断――を挙げ、とくに病病連携のメリットとして、業務量拡大から地域貢献やグループ内の体制充実などにつながると強調。さらに「意見や要望は積極的に言ってください。それらをベースにしていかないと、部会運営は続かないと思います」と訴えた。
2日目は鈴木正章・千葉西総合病院病理診断科部長によるミニレクチャー「病理報告書の既読管理の試み:91%→0.4%の変遷」からスタート。報告書の内容が、たとえ良性でも、確認ボタンを押してもらうことを前提とし、さまざまな対策をとった結果、未読率91%から0.4%まで下がったとアピール。「既読管理のマニュアルはなく、相談しながら病理主体で、どんな取り組みができるか考えました」と明かした。
次に共同研究告知として、野口雅之・湘南鎌倉総合病院(神奈川県)病理診断部部長が「肺腺癌EGFR-TKI治療のinnate resistanceに関する共同研究のお願い」について説明し、協力を呼びかけた。
一般演題4演題をはさみ、シンポジウムを実施。シンポジストとして、澁木康雄・国立がん研究センター中央病院臨床検査科・病理診断科臨床検査技師が「呼吸器細胞診の報告様式と腺癌・扁平上皮癌の鑑別」、藤岡学・札幌徳洲会病院臨床検査技師が「呼吸器細胞診の鑑別困難と組織診の不一致例」、西川裕子・八尾徳洲会総合病院(大阪府)臨床検査技師が「当院の呼吸器細胞診の現状」と題し発表した後、ディスカッションした。
最後に、中塚センター長が「活発な討議を行うことができ、実りある学術集会でした。それだけでなく、全国の皆さんが顔を突き合わせて懇親を深められたのも有意義でした」と挨拶し、閉会した。次回は11月に広島県で開催予定。