徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2025年(令和7年)01月20日 月曜日 徳洲新聞 NO.1475 3面

徳洲会緩和ケア部会
情報共有し緩和ケアの質向上へ
第5回緩和ケアセミナーを開催

徳洲会緩和ケア部会は11月23日、名古屋市内で「第5回徳洲会緩和ケアセミナーin名古屋」を開催した。名古屋徳洲会総合病院の坂本雅樹・緩和ケア外科部長が当番世話人を務めた。札幌市以外で初の開催となった今回のセミナーには、全国の徳洲会病院から医師や看護師、薬剤師、リハビリテーション療法士、MSW(医療ソーシャルワーカー)、臨床心理士など約100人が参加。各病院の取り組みを情報共有するとともに、特別講演や職種別分科会での討議を通じ、グループ全体の緩和ケアの質向上を目指し研鑽を積んだ。

「より良い緩和ケアの実践につなげていきたい」と当番世話人の坂本部長

冒頭、開会の挨拶に立った部会長の前野宏・札幌南徳洲会病院名誉院長は、「2001年に札幌南青洲病院(現・札幌南徳洲会病院)の院長に就任した際、私は徳田虎雄理事長(当時)に、緩和ケア病棟をつくりたいと直訴しました。当時の多くの幹部の先生方が反対するなか、徳田理事長の強力なバックアップの下、03年に同病棟を開設できました。その後、徳洲会にこれほど緩和ケアの仲間が増えるとは思ってもいませんでした。今の状況があるのは徳田先生のおかけです」と回顧し、24年7月に逝去した徳田・名誉理事長に参加者全員で黙禱を捧げた。

「近著『ホスピスのこころを究める』を持つ部会長の前野・名誉院長

今セミナーは坂本部長の発案で施設紹介に時間を割いた。「病院ごとに緩和ケアの提供体制はさまざまです。それぞれの良いところや工夫、悩みや苦労を共有し、グループ内で励まし合いながら、より良い緩和ケアの実践につなげていければと考え、施設紹介にも力を入れました。これも部会の役割のひとつと考えています」と意図を話す。

「活発な議論で職種別分科会は充実した時間が経過

参加病院の職員が、自院の概要や緩和ケアをめぐる院内の動向、緩和ケアチームの活動内容、緩和ケア病棟でのイベント、患者さんへの対応で重視していること、近況などを発表した。

特別講演では、春日井市民病院の會津恵司・外科部長兼緩和ケアセンター部長が「病院から地域へ 春日井市民病院のACP(アドバンス・ケア・プランニング)の経験」をテーマに講演。

會津部長は日本版ACPを「必要に応じて信頼関係のある医療・ケアチーム等の支援を受けながら、本人が現在の健康状態や今後の生き方、さらには今後受けたい医療・ケアについて考え、家族らと話し合うこと」と定義し、ACPにかかわる人材育成や相談・情報共有のあり方、記録方法、ACP相談の経験からの学びやスタッフの意識変化などに関して説明した。

続いて、徳之島徳洲会病院(鹿児島県)で緩和ケアアウトリーチプロジェクトに取り組む田上恵太くらしケアクリニック練馬院長が、同プロジェクトを紹介した。徳之島緩和ケアアウトリーチチームから、緩和医療に注力する医師が徳之島病院を訪れ、病棟診察やカンファレンスへの参加、終末期の患者さん宅での訪問診療を通じ、徳之島病院が緩和ケアをスムーズに提供できるよう支援するのが同プロジェクト。田上院長は、がんの痛み治療に関する講演も行った。

職種別分科会は12グループに分かれ、各病院が抱える課題や悩みなど相談し合い、薬剤の選択や疼痛緩和の方法、患者さんへの接し方、後進の育成など多岐にわたるテーマで議論した。

会場の一角には、前野・名誉院長が責任編集した『ホスピスのこころを究める 日本のホスピス50年が築き上げたもの』(NPO法人ホスピスのこころ研究所編、三輪書店刊、2,530円)の展示販売コーナーを設けた。1973年に淀川キリスト教病院でホスピスケアがスタートしてから50年を記念し、同NPOが企画したホスピス・緩和ケアのレジェンド8人による講演内容を書籍化し、発刊したもの。

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