徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2025年(令和7年)01月20日 月曜日 徳洲新聞 NO.1475 1面

新春特別企画㊥
臨床で活用が進む医療AI
グループで生成AI開発
ビッグデータ研究も着々

囲碁のトッププロ棋士に「AlphaGo(アルファ碁)」と名付けられたAI(人工知能)が勝利し、世間の耳目を集めたのは、もう9年も前のことだ。その頃からAIブームと言えるような盛り上がりを見せてきた。近年では画像診断支援などAIは医療界に恩恵をもたらし、徳洲会も随時、医療現場に取り入れている。グループのAI活用状況を概観し、2025年の動きを探る。

「2025年中に生成AI実用化を目指します」と尾﨑社長(右)、髙橋部長AI画像診断のイメージ(写真は胸部CTの病変を検出するAI)

すでに徳洲会が臨床使用しているのは、レントゲンやCT(コンピュータ断層撮影)、MRI(磁気共鳴画像)の画像から病変を検出する「AI画像診断」や、上部・下部内視鏡の画像から病変を見つけ出す「AI内視鏡画像診断」など、医療者の診断補助を行うAIだ。また、放射線治療計画の作成を支援するAIも活用している。

徳洲会グループのAI導入実務を担う徳洲会インフォメーションシステム(TIS)の髙橋則之・導入管理部長は「AI画像診断は現在、徳洲会の約20病院、AI内視鏡画像診断も約10病院が導入しており、主に病変の見落とし防止などで活用しています。とくに研修医をはじめとする非専門医にとって、利用価値の高いツールと言えます」と説明する。このほか「AI問診」や「AI電話」も複数病院が導入済みだ。

ChatGPTに代表される“生成AI”は、医療界でも期待が大きい。実装できれば電子カルテに格納された画像を含む各種情報から、これまで手入力していた紹介状や退院サマリ、看護サマリといったさまざまな医療文書を自動生成でき、業務の効率化に大きく寄与する。

成否のカギは、非構造化データ(特定の方法で整理されていないデータ)を処理するLLM(大規模言語モデル)だ。徳洲会グループではTISが中心となり、医療文書作成の生成AI・LLMの独自開発に取り組んでいる。

TISの尾﨑勝彦社長は「生成AIは構築後のチューニング(微調整)に時間を要しますが、2025年中の実用化を目指しています。今後、AIの有効活用を推進していくうえで、AIの運用管理を担う人材育成の重要性が高まっていきます。グループ内でも人材育成が課題です」という。なお、徳洲会では目下、適切にAIを運用するための規程の策定を急いでいる。

他方、膨大な臨床ビッグデータの活用も推進。徳洲会リアルワールデータ・プロジェクト(TREAD)がそれだ。スケールメリットを生かし、がん診療のビッグデータ解析を通じて、新たなエビデンス(科学的根拠)を構築し、がん医療の進歩に貢献するのが目的。幅広いがん種で学会・論文発表を行うなど実績を上げている。

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