徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2024年(令和6年)12月23日 月曜日 徳洲新聞 NO.1472 3面
「子どもを大切にする社会を築いてほしい」と二瓶顧問
東京西徳洲会病院の二瓶健次・小児科顧問が60年間の医師生活に区切りを付け、12月末で勇退する。現在86歳。1964年に東北大学医学部を卒業後、東京大学と自治医科大学の小児科を経て、79年から2004年まで国立小児病院(現・国立成育医療研究センター)小児神経科に勤務。退官後の06年、その前年に開設されたばかりの東京西病院に入職し小児医療センターの顧問を務めてきた。
「若い頃に上司の影響で小児神経・免疫学の分野を専門とし、診療・研究に没頭しました。当院では社会的にニーズが高まっていた発達障害の診療を軸に医療活動に邁進しました」と振り返る。
小児神経分野では指定難病の亜急性硬化性全脳炎(SSPE)に対するイソプリノシンや、インターフェロン(髄腔内投与)の治験に貢献、標準治療となっている。
“ホスピタルアート”の先駆者でもあり、難病の子どもにVR(仮想現実)で動物園、スキーや乗馬体験、バーチャルサッカーなどを提供、東京西病院では“おもちゃライブラリー”を設け臨床に活用した。
多数の親の会(患者会)設立にも尽力、NPO法人芸術と遊び創造協会理事を務め、檜原 森のおもちゃ美術館で神経・発達勉強会の講師を務めるなど、院外でも積極的に活動した。「私は乳児期に医師から見放されるような重度の肺炎を体験しました。命を大切にし、子どもを大切にする社会を築いてほしいと切に願っています」とメッセージを寄せている。