徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2024年(令和6年)11月25日 月曜日 徳洲新聞 NO.1468 4面
田邉真紀人 福岡徳洲会病院 心療内科・内分泌・糖尿病内科部長 総合内科専門医、内分泌代謝科専門医・指導医、糖尿病専門医・研修指導医、肥満症専門医・指導医
A. お答えします。
その方の状態次第ですが、『糖尿病になったら甘いものは生涯食べられない』というわけではありません。どのくらいの食事、間食なら良いのか、まずは医療機関で糖尿病の進行状況をチェックし、医師や栄養士と相談のうえ、食事内容を考えていきましょう。たとえば高齢の方の場合は、カロリーを制限しすぎてしまうと筋力低下の恐れもあるなど、同じ血糖値や体重でも年齢や性別、生活習慣、体質、持病などで「適切な食事制限」は変わってきますから、専門家のアドバイスを受けることは大切です。
一部で、かなり厳しい糖質制限食が話題になっていますが、糖尿病は多くの場合、一生付き合うことになる疾患ですから、食事療法は「継続できる」ことも重要なポイント。厳しい制限で一時的に血糖値や体重が下がっても、厳しすぎて途中で離脱しては意味がありませんし、ご飯やパンなど主食となる糖質を制限しすぎると、栄養全体のバランスが狂ってしまう可能性があります。一番まずいのは治療を中断してしまうこと。仮に今、合併症がなくても、無治療では将来的に生命にかかわる深刻な合併症が起こり得ますので、定期的に通院し専門家と相談しながら、ご自身が続けられる食事療法を実践していただければと思います。