
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2024年(令和6年)11月04日 月曜日 徳洲新聞 NO.1465 3面
第47回日本死の臨床研究会年次大会が10月12日から2日間、北海道で開催、札幌南徳洲会病院の梶原陽子・教育師長らが大会長を務めた。梶原・教育師長の大会長講演、同院の前野宏・名誉院長の講演、徳洲会から11演題の発表があった。
「地域で生きる」をテーマに講演する梶原・教育師長
上梓した書籍をもとに講演する前野・名誉院長
大会テーマは「つらさやかなしさを持つ人々と共に歩む」。大会長は梶原・教育師長と田巻知宏・北海道消化器科病院副院長(緩和ケア内科)が務めた。冒頭、2人の挨拶の後、それぞれ大会長講演を実施。梶原・教育師長は「地域で生きる」をテーマに講演した。
在宅緩和ケアでは「その人らしさがあふれる空間で紡がれる日常、そのなかでキラリと光るいのちの輝きに幾度も遭遇し、Life(生命・生活・人生)を支えることの素晴らしさに魅了されました」と強調。ただし患者さんの「Life」を支えることは難しく、医療者だけでは到底支えることができないと訴え、「職種や施設の垣根を越え、生命を脅かす病などの困難にある人々が、自分らしく生ききることを支える道を探求することが大切」と重要性を示した。
前野・名誉院長は自身が責任編集を務め、8月に上梓した『ホスピスのこころを究める─日本のホスピス50年が築き上げたもの─』(三輪書店、2,530円)をもとに講演した。同書は日本のホスピス緩和ケアを草創期から支え、その発展に多大な尽力をした8人のレジェンドによる講演を収録したものだ。
同院の理念にも言及し、「ホスピスのこころとは弱さに仕えるこころ。職員が患者さん目線まで積極的に降りていき、患者さん目線で物事を考え、行動することを大切にしています」と語気を強めた。
シンポジウム「知的障がい者のエンド・オブ・ライフを支える」では、同院の粕谷佳芳里ソーシャルワーカーが「医療機関における知的障がい者の施設看取りへの支援」、パネルディスカッション「ありかた特別委員会企画:死の臨床研究会のこれから」では、ホームケアクリニック札幌の下倉賢士ソーシャルワーカーが「死の臨床研究のこれから~在宅緩和ケアのソーシャルワーカーの立場・視点から~」をテーマに発表した。
また、ポスター発表では、札幌南病院から6演題、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)、千葉徳洲会病院、名古屋徳洲会総合病院から各1演題の発表があった。
大会終了後、梶原・教育師長は「つらさや悲しさをもつ人々と共に歩むということは、『死』に向き合うことではなく、『生きる』ことを支えることにほかなりません。この大会が、共に歩むことが許される自分を育むための学びと交流の場として、皆さまのお役に立てていたとしたら幸いです。年次大会が盛会のうちに終わり感謝しています」と振り返った。