徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2024年(令和6年)11月04日 月曜日 徳洲新聞 NO.1465 1面

「ハラパンキタ・徳洲会循環器病センター」
インドネシアで起工式を挙行
徳洲会が協力し20階建て高機能病院建設

医療法人徳洲会とインドネシアの国立ハラパンキタ循環器病センター(日本の国立循環器病研究センターに相当)は10月8日、首都ジャカルタにある同センター敷地内で、「ハラパンキタ・徳洲会循環器病センター」建設の起工式を行い、工事の無事を祈った。地上20階・地下3階建てで、工期は22カ月間を予定。2026年夏に竣工し運営を開始する見込みだ。これは徳洲会と同国との共同プロジェクトで、徳洲会は建物・医療機器などハードを提供するだけでなく、ロボット手術など技術協力や人材交流を通じ、同国の循環器医療の向上に貢献していく。

アジアNo.1の循環器病センターへ

「ハラパンキタ・徳洲会循環器病センター」の完成予想図(右の黒い建物はがんセンター)。2026年夏に竣工予定

インドネシアでは心疾患が増加傾向にある一方、マレーシアやシンガポールで治療を受ける患者さんが少なくないことから、自国内で高度な循環器医療を提供できる環境整備が喫緊の課題となっている。

「アジアでナンバーワンの循環器病センターを」と東上理事長

徳洲会は「いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会」を目指し、国内にとどまらず、国際医療協力に積極的に取り組んでおり、04年に同国政府と医療協力に関する協定書を締結。臨床・研究・教育面についての交流を続けるなかで、今回のプロジェクトが具体化した。

「ハードに見合った高いレベルの医療サービスを」とブディ保健相

起工式には東上震一理事長や大橋壯樹・副理事長、植嶋敏郎・事務局長ら徳洲会関係者、インドネシアのブディ・サディキン保健相、ハラパンキタ循環器病センターのイワン・ダコタ院長をはじめ同センター関係者、正木靖・駐インドネシア日本国特命全権大使、建設工事関係者らが出席。現地メディアも多数駆け付けた。

「7,000症例の手術が可能な環境を整備」とイワン院長

同センターは国立病院が建ち並ぶエリアに立地し、がんセンターや母子センターが隣接。同センターは複数の建屋で構成、老朽化した旧館を解体し、跡地に新館として建設するのが「ハラパンキタ・徳洲会循環器病センター」(462床)だ。隣地には数年前に竣工した現病院が稼働しており、新館完成後は現病院の病床と合わせ750床規模で運用する計画。

「患者さんの海外流出を解決できる施設に」と正木大使

オープン後は徳洲会の医師ら医療従事者が日本の医療資格により、同センター内で医療を行うことに関し、保健省から了承を得ており、昨年、同国では関連する法改正を行った。

優秀な人材が集まる施設に

中央のボタンを押すとサイレンが鳴り重機が稼働

起工式は、はじめにイワン院長が登壇し「インドネシアでは心疾患が増え、医療インフラの増強が必要です。長期間待たせている患者さんもいて既存の施設では不十分です」と指摘。そのうえで、「ハラパンキタ・徳洲会循環器病センター」がオープンすれば、病床や手術室が増え、心臓手術のキャパは年間4,000件から7,000件に拡充するとの考えを示し、「実現すれば東南アジアでトップクラスの症例数になります。医療サービスの向上にも努めます」と意気込みを語った。

起工式には徳洲会やハラパンキタ循環器病センターの関係者らが出席

続いて東上理事長が「両者の緊密な連携の下、先進的な医療を提供する循環器病センターを創造していきます」と宣言。「新たに建設するセンターは、双方の優秀な人材が集まり、最先端の医療技術を求めるインドネシア国内外の患者さんに、高度な治療を提供する施設を目指します。アジアでナンバーワン、そして世界のリーディングホスピタルをつくり上げていきたい」と力を込めた。

正木大使は「現在は多くの患者さんが海外に治療を受けに行っていると聞いています。そうした課題を解決できる施設になることを祈っています」と挨拶した。

この後、プロジェクトの事業協定と建築契約に関する調印式を行い、東上理事長、イワン院長、建設会社代表者が書面にサインした。

その後、ブディ保健相が登壇し徳洲会に対して謝意を表明。「ハードに見合った高いレベルの医療サービスを提供できれば、海外から治療を受けにくる患者さんも現れてくると思います」と期待感を示し、「日本では心臓手術が減少傾向だと聞いています。一方、わが国は人口が増加し医療が足りません。徳洲会の医師はここで手術することで症例経験を積めます。お互いに補い合えるセンターになっていくでしょう」と見通しを語った。

最後に、「鍬入れの儀」に相当する儀式を実施。各代表者が壇上の台座にある大きな赤いボタンに手を添えて押すと、サイレンが鳴り響いた。同時に建設現場の重機が動き出し、実際に掘削作業が始まった。

起工式を終えた東上理事長は「今後ますます交流を深め、人材育成などにも力を入れていきたいと考えています。ロボット手術やMICS(低侵襲心臓手術)といった先進的な医療技術などに関し、徳洲会が蓄積した知見を伝えながら、循環器診療の向上に協力することで、海外に出ている患者さんの治療をインドネシア国内で完結できるようになります。また、医師だけでなく看護師や他の職種に関しても人材交流を広げていきたい」と抱負を語った。

大橋・副理事長は「この11月16、17日にはハラパンキタ循環器病センター主催の『ハートセミナー』で、徳洲会の医師が特別講演を行い、医師や看護師が参加します。これからも継続的に交流を図っていきます」と積極的だ。

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