徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2024年(令和6年)10月28日 月曜日 徳洲新聞 NO.1464 4面

教えてドクター
焦らず無理せず

Q. 「妻の葬式後、娘の声が出なくなりました」(45歳・男性)

馬場淳臣 横浜日野病院院長 精神科専門医、指導医、精神保健指定医、精神保健判定医、医学博士

A. お答えします。

声が出せなくなる症状からは、多くの疾患が考えられます。まず耳鼻咽喉科や神経内科などを受診し、のどや神経に器質的な問題がないか調べてもらいましょう。器質的な問題がないのに症状が続いていたら、転換性障害の一種の失声症の可能性があります。

転換性障害とは、ストレスや心理的葛藤が身体の症状に転換される病態で、娘さんの場合は奥様が亡くなられたことと関係があるかもしれません。たいていは回復しますが、長引いてしまうことも。いずれにせよ、無理に声を出させようとするのは禁物です。器質的な問題がないからと、「声が出ないはずがない」と決めつけたり、仮病扱いしたりするのは最も避けなければいけません。出したくても声が出せないご本人が一番苦しんでいます。その気持ちに寄り添ってあげてください。

失声症自体の特効薬はありませんが、抑うつ気分、不眠、不安感などに対し、抗うつ薬や睡眠導入剤、抗不安薬などを処方して、気持ちが楽になると声が出せるようになることもあります。息だけで話す「無声音」なら出せる場合がありますので、無理のない範囲で会話してリハビリするのもひとつの方法です。

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