徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2024年(令和6年)10月28日 月曜日 徳洲新聞 NO.1464 3面

前立腺がんの放射線治療
吹田病院が臨床試験開始
漢方薬併用する有効性検証

「いかに後遺症を少なくして治すかが重要」と藤原医長

吹田徳洲会病院(大阪府)は、前立腺がんの放射線治療に関する臨床試験を開始した。具体的には、放射線治療を開始する1カ月前から終了後6カ月まで、漢方薬の大建中湯を内用し、晩期(放射線治療が終了してから3カ月以降)副作用の放射線直腸炎による直腸出血の発生率低減効果を検証する。

対象は20歳以上の男性で、根治を目的とする中等度寡分割強度変調放射線治療(放射線を腫瘍に集中させ正常組織への照射を少なくし、通常よりも照射回数を減らす手法)の患者さん。責任研究者は藤原聖輝・放射線治療科医長。

直腸は、前立腺の一部に隣接していることや細胞組織の特性から、前立腺がんの放射線治療でダメージを受けやすい。副作用の直腸出血に対して予防・処置する方法はあるものの、多くは外科的アプローチのため、今回、藤原医長は漢方薬を併用する内科的アプローチの前向き臨床研究を試みた。

「放射線直腸炎によって、直腸から出血するまでには複数のフェーズをたどります。多段階的に抑制しなければならない点から、漢方薬の可能性を感じています。昨年、米国放射線腫瘍学会で、私が行った報告で大建中湯による直腸出血低減効果が示唆されましたので、同結果の再現性を科学的に示すことができれば良いと思います」(藤原医長)。

現在、登録患者さんは27人。最終的に125人を目指す。藤原医長は「がんの治療は進歩し、単に“治す”ではなく、“いかに後遺症を少なくして治す”かが重要になりつつあります」と指摘し、「最終的にはマーカーレス(金属のマーカーを体内に埋め込まない)、完全非侵襲の放射線治療が理想。今回の研究も、その一環です。実現に向け地道に努力していきます」と先を見据える。

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