徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2024年(令和6年)09月16日 月曜日 徳洲新聞 NO.1458 1面

湘南鎌倉病院
IAEAとの共同研修
国内の民間病院で初

湘南鎌倉総合病院(神奈川県)は8月5日から5日間、国際原子力機関(IAEA)が指定するアジアの核医学教育施設として、「IAEA-SKGHトレーニングコース」を開催した。IAEAは原子力の平和利用を推進し、原子力技術の安全性と有効性を確保するために設立された国連傘下の自治機関で、健康・福祉・医療分野で世界保健機関(WHO)と協働している。同コースは、アジア地域のIAEA加盟国から推薦された核医学分野の医師や研究者を対象に、座学を中心とした核医学の研修、核医学診療施設の見学などを行うもので、国内の民間病院としては初めての取り組み。

5日にわたり15カ国19人受講

小林院長(前列左から5人目)を囲み講師や受講者が記念撮影

湘南鎌倉病院は2021年7月、IAEAのコンソーシアム事業(IAEA-CUIJ)に参画することを表明し、23年3月に実務協定を締結した。同事業は、アジア地域のIAEA加盟国から推薦された核医学分野の医師や研究者を対象に、教育・研修を行うコンソーシアム(共同事業体)プロジェクトで、現在11の大学・医療機関が参画している。

23年7月、IAEA担当者と11の大学・医療機関の代表者が、24年以降の事業計画に関する会議を東京で開催。同院からは井上登美夫・先端医療センター長の代理で、中島留美・予防医学センター長が出席し、同院の施設紹介と共に、井上センター長が作成したトレーニングコースのプログラム案を用意していることをプレゼンテーションした。その結果、同院で24年8月に開催することが決定した。

3月にアンカーセンター認定

「日本で楽しく、実りある時間を送ってください」と中島センター長「当院は、がん治療における最先端の医療を提供しています」と小林院長「セラノスティクス」の講義に真剣に耳を傾ける受講者先端医療センターで陽子線治療装置などを見学

また、同院は今年3月、IAEAアンカーセンターに認定された。これは発展途上国のがん治療の質向上などを目指すIAEAの取り組み「Rays of Hope」を推進するために、IAEAとの連携の中核を担う組織だ。

今回の「IAEA-SKGHトレーニングコース」には、アジア太平洋地域のIAEA加盟15カ国から19人が受講。井上センター長が同コースのディレクターだが、初日の冒頭、中島センター長が実行委員長として開会挨拶に立ち、「受講者の皆様には、このトレーニングコースで交流する機会を通じ、日本で楽しく、実りある時間を送っていただきたいと思います」とエールを送った。

続いて、小林修三院長が「当院は“生命だけは平等だ”の理念の下、24時間365日『断らない医療』に加え、いつでも、どこでも、誰にでも質の高い医療を提供できるよう努めています。従来のトモセラピーに加え、陽子線治療、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)など、とくに、がん治療における最先端の医療を提供するために、21年4月に先端医療センターを開設しました。また、当院は今年3月、IAEAアンカーセンターとして認定されましたが、これは当院の質の高い医療がIAEAに認められたことを意味し、世界的に信頼され、高く評価されていることは大変名誉なことです」とアピールした。

講義は同院の医師らを中心に国内のスペシャリスト、IAEAから派遣された講師が担当した。同院から講師として登壇したのは、澤木明オンコロジーセンター長兼腫瘍内科主任部長、冨吉勝美・湘南先端医学研究所放射線医学研究部主任研究員、佐々木康人・湘南先端医学研究所放射線医学研究部長、村井太郎・放射線医学研究部臨床研究部主任研究員兼放射線腫瘍科部長、八木橋貴之・医学物理室主任、後藤紳一・医学物理室長だ。

また、田邉一成・院長補佐兼腎移植・ロボット手術センター長が講義の座長、寺田茂彦・先端医療センター長補佐兼臨床PET担当部長が試験監督、柴慎太郎・放射線腫瘍科BNCT担当部長が施設見学の担当を務めた。

講義は「セラノスティクス」について大きく時間が割かれた。セラノスティクスとはTherapy(治療)とDiagnostics(診断)を融合させた造語で、核医学の手法(分子イメージング)を用い、同じ標的をターゲットとして画像診断(検査)と治療を行う医療をいう。受講者は講義で学んだ後、グループディスカッションも行い理解を深めた。

2日目と4日目には施設見学を実施。先端医療センターではPET検査の薬剤を製造する設備(サイクロトロン・ホットラボ)、陽子線治療装置、稼働を待つBNCTなどを視察した。さらに湘南ヘルスイノベーションパーク(略称:湘南アイパーク)も訪れ、研究設備や最新の研究内容について説明を受けた。

最終日には、受講者全員に受講証明書が配られた後、井上センター長の閉会挨拶を中島センター長が代読、「このトレーニングコースでの経験を、皆さんの国でのセラノスティクスの普及に役に立てていただけたら、うれしく思います。せっかくできた皆さんとのご縁が、またいつか、つながっていくことを祈っています」。

IAEAのフランチェスコ・ジャンマリール・シニアテクニカルオフィサー(核医学専門医兼技官)は「とても充実した5日間でした。湘南鎌倉病院には、このコースを成功に導いていただき感謝しています。今後、アンカーセンターが稼働した際には、IAEAの推薦する専門家の研究の場としても期待しています」と謝意を表した。

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