
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2024年(令和6年)09月02日 月曜日 徳洲新聞 NO.1456 4面
屋久島徳洲会病院(鹿児島県)は鹿児島徳洲会病院のサポートを受け、外科手術を再開している。外科の常勤医師が不在となり、約4年半、手術が必要な患者さんは、すべて鹿児島本土の病院に紹介していた。船や飛行機での移動にともなう患者さんの時間的・経済的な負担が大きいことから、屋久島病院の山本晃司院長は「徳洲会グループ病院の協力のおかげで、術後のフォローも含め非常に安心して手術ができる体制が整いました。島の方のために、とくに一般的な手術が当院でできることは本当にうれしいです」と喜びをあらわにする。
腹腔鏡下手術を行う(左から)鹿児島病院の保坂院長、堀部幸之介・看護主任、米満医長
屋久島病院が外科手術の中止を余儀なくされたのは2019年。外科の常勤医師が不在となったことが最大の要因だった。
屋久島で唯一の総合病院である同院にとって、外科医師の不在は大きく影響。まず緊急時の対応が困難となり、手術を要するケースや内科領域であっても外科医師のバックアップを必要とするケースは島外に搬送するなど、従来の対応体制を制限せざるを得なくなった。
「島の方にとって一般的な手術が安心して行える環境は、本当に大切です」と山本院長
山本院長は「たとえば、当院では以前から経皮的ドレナージ術などインターベンション治療(カテーテルを用いる治療)を行っていますが、治療の途中でトラブルが発生し、緊急手術が必要になる可能性もゼロではありません。当院には外科医師がいないのでヘリを呼ぶことになりますが、時間もかかり命を落とすリスクが一層高まります。天候次第では飛行機も船も動かないので、治療するにも不安がともないます」と説明する。
続けて「福岡徳洲会病院などが協力してくださり、極力、緊急手術に対応できる医師がいない日を少なくするように努めていますが、どうしても体制に“谷間”があるのが現実でした」と、当時の苦しい胸の内を明かす。
そして、もうひとつの課題が計画的に行う一般的な外科手術への対応だ。具体的には、胆嚢摘出術などで、山本院長は「極端な話、虫垂炎の切除すら搬送しなければなりませんでした」。
島外での手術に、患者さんの希望や受け入れ先の病院の状況を逐一、確認・調整しなければならない負担を軽減するため、19年以降は鹿児島市内の病院と連携。週に1回、同院の医師が屋久島病院の外来を担当し、手術が必要と判断したら市内の自院で手術を行うかたちだった。
転機が訪れたのは23年。4月に鹿児島病院に消化器外科を専門とする保坂征司院長が就任し、山本院長に屋久島病院の外科手術の支援を呼びかけた。その頃、連携していた鹿児島市内の病院も外科の維持が厳しい状況だったこともあり、山本院長は希望。「特別に難度の高い手術でなく、かつて当院で行っていたような手術ができたらと思っていたところに、保坂院長から連絡があり、とても助かりました」と振り返る。
調整を図り、昨年6月に再開。鹿児島病院から保坂院長をはじめ、外科医師、麻酔科医師、手術室の看護師と、多職種によるチームが屋久島病院を訪れ、腹腔鏡下胆嚢摘出術を行った。その後も鹿児島病院の手術チームが来院し、一般的な手術であれば術後の翌日、少し難度の高い手術であれば術後の翌々日まで屋久島に滞在しフォロー。手術とは別に、週1回(平日)の外来も支援している。
福岡病院も継続して屋久島病院を支援。看護師などが手術をサポートしたり、週末に医師が術後の患者さんをサポートしたりしている。
「今までにも離島の徳洲会病院を支援した経験があったので、スムーズにサポートできました。与論徳洲会病院でも屋久島病院でも患者さんが喜んでくださいます。徳洲会は患者さんを移動させるのではなく、医療者が出向く。その精神に尽きると思います」と保坂院長。
鹿児島病院の米満侯宏・外科医長も「チームごと移動してサポートするのは、グループならではの素晴らしい取り組みだと思います」と語気を強める。鹿児島病院は、屋久島病院の手術室や術後の患者さんを受け入れる病棟のスタッフが手術関連の業務に慣れるまで、しばらくは支援する意向だ。
山本院長は「非常に安心して手術ができる体制」と強調。「同じ電子カルテシステムのため、患者さんの同意を得たうえで鹿児島病院でもカルテを閲覧できます。島の方からすれば、島内で手術が受けられることに越したことはありません」と、今後も島の医療の充実に力を注ぐ。

屋久島病院の外科手術を支援する鹿児島病院の取り組みは、徳洲会グループのYouTubeチャンネル「徳洲会TV」でも紹介。
「徳洲会TV」はここから
医師らの奮闘を描いた医療ドキュメンタリー番組「闘医」で保坂院長にフィーチャーし、実際に手術を行っている場面や、支援する思いなどを収録。山本院長をはじめとする屋久島病院のスタッフ、島民の方々の思いも必見!