徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2024年(令和6年)07月29日 月曜日 徳洲新聞 NO.1451 3面
医療法人徳洲会 最高顧問 NPO法人TMAT 理事長 学校法人徳洲会 理事長 福島 安義(ふくしまやすよし)
徳田虎雄・名誉理事長のご逝去の報に接し、衷心より哀悼の意を表します。
思い起こせば四十数年前、虎の門病院で私が当直をしている時に、わざわざ病院にまで来られ、「一緒にやろうよ」と誘っていただき、1984年に茅ヶ崎徳洲会病院(現・湘南藤沢徳洲会病院)に入職しました。会員制のドックをやろうという理事長(当時)の意見に対し、「金持ちのためのドックは絶対にやらない。庶民のためのものしかやらない」と主張した私を許容してくださり、その後は、世界中に病院をつくるためにと、GE社のジャック・ウェルチCEO、旧ソビエト連邦のゴルバチョフ元大統領、また微妙な立場にあったペルーのフジモリ元大統領ら多くの世界の要人たちとの面談の場に参加させていただきました。
活発に活動されていた理事長から2002年頃、電話で「病院に神経内科の専門医がいるよな? 手に力が入らないんだ」と連絡がありました。来院され、話の内容から専門外の私でもALS(筋萎縮性側索硬化症)ではないかと疑いました。理事長自身わかっておられたと思います。神経内科専門医の亀井徹正副院長(現・湘南藤沢病院総長)もALSと診断。徐々に病状が進行し、自力で歩けなくなった頃、こう言われました。「俺はいい病気をもらったと思っているよ。神様は『もう動くな』と言われているんだ。体は動かないが、頭はしっかりしている。『動かずに、じっと考えろということだよ』と。お前たちは動けるだけでも幸せと思え。団結して今以上に頑張ってくれ」と。
40年間、さまざまなことを経験させていただき、本当にありがとうございました。牛歩ではありますが、全国の仲間たちにより、理念は着実に継承されていくものと確信しています。心からご冥福をお祈り申し上げます。