
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2024年(令和6年)07月08日 月曜日 徳洲新聞 NO.1448 1面
湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の市田親正・消化器病センター部長の原著論文のうち、徳洲会メディカルデータベース(TMD)を用いた研究が、日本消化器内視鏡学会の査読付き英文雑誌『Digestive Endoscopy』に掲載され、米国消化器病週間(DDW 2024)でも発表、また、症例報告が同学会の2023年度英文誌学会賞(Case Report部門)を受賞した。
DDW 2024で発表する市田部長
TMDを用いた研究は「内視鏡止血成功後の食道静脈瘤破裂患者に対する院内死亡予測スコアを世界で初めて開発—スコアに基づいた適切なリスク管理が可能に—」がテーマ。食道静脈瘤破裂は致死的な疾患であり、内視鏡止血成功後も高い院内死亡率が指摘されているものの、院内死亡を予測するモデルは世界的にも作成されていない。
そこでTMDの46施設、13年間のデータから、食道静脈瘤破裂に対し内視鏡止血に成功した980人分の患者データを分析。臨床現場で使用できる簡易さを保ちつつ、院内死亡率を予測するスコア(HOPE-EVLスコア)を開発した。同スコアを用いることで、リスクに応じた病床管理、患者さんや家族への客観的な予後説明が可能になる。
2023年度英文誌学会賞の賞状を手に
市田部長は同研究内容をDDW 2024でも発表。「シンガポールの先生から同国で検証したいと提案いただきました。世界に発信できたことをうれしく思います。TMDはバイタルや採血データまで引き出せるので、予測スコアの作成にも最適です」と力を込める。
一方、症例報告論文のタイトルは「内視鏡検査中の胃粘膜白色変化:慢性虚血性胃炎の新しい内視鏡的特徴」。放置すると腸管壊死を来す可能性のある慢性虚血性胃炎で、内視鏡を用い胃粘膜が経時的に白く変化していく様子を撮影した。市田部長は「臨床医として症例報告は重要です。情報共有することで、患者さんの助けになると思いますので、今後も論文の発表は積極的に進めていきたいと考えます」と意気軒高だ。