徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2024年(令和6年)06月17日 月曜日 徳洲新聞 NO.1445 1面

徳洲会泌尿器ロボティクスチーム/部会がセミナー開催7月20日から「知技心で新時代を切り拓く」テーマに国内のロボット手術を牽引する大学教授ら多数招聘し知見共有

徳洲会泌尿器ロボティクスチーム/部会(TURA)は7月20日から2日間、都内でTokushukai Robotic Urology Seminar(TRUS)を開催する。主催は一般社団法人徳洲会。日進月歩の医療界で、発展著しい“ロボット手術”を主題にした学会形式のセミナーだ。TURA部会長の桶川隆嗣・武蔵野徳洲会病院(東京都)院長が会長を務める。メインテーマには「知技心で新時代を切り拓く」を掲げ、主に泌尿器科領域のロボット手術の現状や将来展望、手術手技、医療安全対策などについて、シンポジウム中心のプログラムを企画。座長や演者として国内のロボット手術を牽引する大学教授(泌尿器科)を多数招聘、第一線でロボット手術を手がけるグループ内外の医師も登壇予定だ。各種プログラムを通じ知見の共有による研鑽や、参加者同士の交流をとおし、医療の質の向上や連携強化を図り患者さんへの貢献を目指す。

会長は桶川・武蔵野病院院長

「ぜひ参加して、大学との連携強化を推進してください」と桶川院長 TRUS開催の告知ポスター

会場は東京国際フォーラムで、現在、参加申し込み受け付け中(参加希望者はTURAのホームページhttps://tura.tokushukai.or.jp/から)。参加費無料。ロボット手術に従事しているグループ内外の医師だけでなく、研修医や看護師、コメディカルの参加も受け付けている。

徳洲会は手術支援ロボットの「da Vinci」、「hinotori」、「Hugo」の3種類を導入。2011年に宇治徳洲会病院(京都府)に1台目のダヴィンチを設置して以来、導入施設は26病院・計28台に上る(表1)。手術支援ロボットは精緻な低侵襲手術をより安全に施行でき、出血量の低減や術後早期の回復などに寄与する。徳洲会が手がけるロボット手術は23年までの13年間で延べ約9,700件に達した。増加ペースは近年早まり、直近の23年は年間約2,100件に上る。

桶川院長は「より多くの患者さんに治療を提供するという意味では症例数も大切ですが、何よりもまず高いクオリティ水準で手術を行い、その質を保っていくことが重要です。徳洲会は昨年、創設50周年を迎えましたが、“100年企業”として存続していくには、医学界のなかで認められるクオリティを追求していく必要があります」と手術の質向上の重要性を強調する。

そのうえで「医学の発展に貢献することを使命としてきた大学には学ぶべきところが多くありますので、徳洲会の先生方には、グループ内の泌尿器科医師相互の交流のみならず、ぜひアカデミックの先生方との交流を深め、連携を強化するきっかけにしていただければと考えています」とセミナー開催に込めた思いを明かす。

手術支援ロボットの草分け「da Vinci」手術の様子 国産初の手術支援ロボット「hinotori」©Tezuka Productions 各アームを独立して配置できる「Hugo」

交流を通じ見識を深めたり刺激を受けたりすることで、徳洲会グループの泌尿器科診療のクオリティ向上やアカデミックな泌尿器科医師の育成への第一歩となることを期待している。また豊富な症例数を生かし徳洲会として、さらに機会があれば大学などとも連携しながら、臨床研究や臨床試験に取り組んだり、論文を発表したりする学術活動をより活発に展開していく一助としたい考えだ。

「安全で質が高く患者さんから信頼される医療を提供し、今後の医療界で生き残っていくには、知識、技量、マインドのそれぞれが欠けることなく備わっていなければなりません。われわれ徳洲会自身に必要なことという意味も込めて、“知技心で新時代を切り拓く”をテーマとしました」(桶川院長)

TRUSの特徴は、一民間医療グループが主催するセミナーとは思えないほど、座長や演者の顔ぶれが多彩であることだ。桶川院長の前職は杏林大学医学部泌尿器科教授で、退任するまでに築いてきたネットワークがあったからこそ実現した。

プログラムは、シンポジウム1~4、徳洲会シンポジウム1~2、ポスターセッションを企画(表2)。シンポジウム1は、杏林大学医学部泌尿器科の福原浩教授と京都大学医学研究科泌尿器科学の小林恭教授が座長を務め、「新規手術支援ロボットの特徴と今後の展望」をテーマに、「da Vinci」、「hinotori」、「Hugo」に加え「Saroa」、「Senhance」といった手術支援ロボットも含め徳洲会病院や東京慈恵会医科大学、藤田医科大学が発表を行う。

4人の女性ロボット外科医も登壇

シンポジウム2のテーマは「女性ロボット外科医:現実と未来」。慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室の大家基嗣教授と、桶川院長が座長を担う。藤田医科大学医学部腎泌尿器外科学講座の佐々木ひと美教授をはじめ、4人の女性ロボット外科医がそれぞれの立場から発表を行う。

シンポジウム3のテーマは「ロボット支援手術-エキスパートの手技-」で、まず東北大学大学院医学系研究科外科病態学講座泌尿器科学の伊藤明宏教授が基調講演。続いて、岡山大学や藤田医科大学のエキスパートが手技を解説する。日本医科大学付属病院泌尿器科の近藤幸尋教授と名古屋大学大学院医学系研究科泌尿器科学の赤松秀輔教授が座長を務める。

シンポジウム4は「ロボット手術の近未来を語る」と題し、東京大学医学部泌尿器科学教室の久米春喜教授、岩手医科大学泌尿器科学講座の小原航教授が座長となり、名古屋市立大学大学院医学研究科腎・泌尿器科学分野の安井孝周教授と神戸大学医学部附属病院国際がん医療・研究センター泌尿器科の山口雷藏教授が講演する。

徳洲会シンポジウム1は「徳洲会病院のロボット手術の現状と未来を語る~研修医へのメッセージ」をテーマに、一般社団法人徳洲会の大橋壯樹・副理事長(名古屋徳洲会総合病院総長)をはじめ、グループ病院が発表。大阪大学大学院医学系研究科泌尿器科の野々村祝夫教授と中部徳洲会病院(沖縄県)の大城吉則院長が座長を務める。

徳洲会シンポジウム2のテーマは「徳洲会外科系ロボット手術の現状と医療安全対策」。外科や呼吸器外科、婦人科の医師だけでなく臨床工学技士や看護師らも登壇する。

初日のプログラム終了後には情報交換会としてカクテルパーティを催す。

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