
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2024年(令和6年)06月03日 月曜日 徳洲新聞 NO.1443 4面
鎌ケ谷総合病院(千葉県)と仙台徳洲会病院は、今年度から歯科医師臨床研修を開始した。同研修は2006年4月に始まった制度で、歯科医師は歯科医師国家試験に合格した後、臨床研修施設の指定を受けた病院・診療所などで1年以上の臨床研修が義務付けられている。徳洲会グループでは今年度から臨床研修施設が7施設になり、計13人が4月に同研修をスタートしている。
鎌ケ谷病院の星副院長(右)と石田研修医
指導医とともに石田研修医(右)が親不知の抜歯手術
仙台病院の郷家部長(左)と楠原研修医
新規導入したシミュレーターで訓練を重ねる(仙台病院)
歯科医師臨床研修の基本理念は「歯科医師としての人格を涵養し、将来専門とする分野にかかわらず、歯科医学および歯科医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療において頻繁にかかわる負傷または疾病に適切に対応できるよう、基本的な診療能力を身に付けることのできるものでなければならない」。臨床研修を行う施設の区分には単独型、管理型、協力型、さらに研修協力施設があり、鎌ケ谷病院は単独型、仙台病院は管理型の臨床研修施設となった。
鎌ケ谷病院では、医科に先駆けて歯科の単独型臨床研修施設としてスタート。4月から常勤歯科医師が増えたこともあり、医局を大幅リニューアルし、研修医の受け入れ体制も整備した。星健太郎・副院長兼歯科口腔外科部長は「総合病院として、研修医教育にも尽力していきたいと考えていますので、まずは歯科でその土台ができたら良いと思います」と抱負を語る。
同院の研修プログラムは口腔外科が中心となる。一般歯科の研修では、虫歯や歯周病の治療のための手技を学ぶことがメインになるが、口腔外科では、口腔だけでなく全身から診断し、治療方針を考える力を養うことが重要。また、地域の中核病院として、全身疾患を抱えた高齢者に、訪問診療を含め対応する機会も多い。研修医1人に対し指導医が3人いるため、手厚い指導体制も特徴だ。
石田貴大研修医は「早い段階から手術時に縫合や抜歯などを経験でき、とても充実しています。患者さんと話す機会も多いので、医療人としての接遇も学んでいきたいです。1年間の研修終了時には、患者さんの話をしっかりと聞き、考え、治療に結び付けることができるようになりたいです」と意欲を燃やす。
星副院長は「患者さんに安心して身を任せてもらえる歯科医師を育てたい」と意気込みつつも、「『医師の働き方改革』もあり、研修医とのコミュニケーションに取れる時間に限りはありますが、技術だけではない医療人としての姿勢なども伝えていきたいです」と語気を強める。
仙台病院では訪問診療を行っていないため、管理型臨床研修施設として、研修協力施設と共に研修医を育成する。研修プログラムは口腔外科が中心となるが、入院患者さんへの一般歯科対応や周術期の口腔機能管理など、全身疾患を抱えた患者さんに対し、医科と連携した対応も学べる。
また、同院は歯科では珍しいオープンシステム(開放型病院)の導入を検討している。これは病院の施設・設備の一部を地域の開業医に開放し、病院の医師と共同して診察を行うシステム。郷家久道・歯科口腔外科部長は「地域で開業を目指す歯科医師が、当院で数年働いてから開業するケースもあります。研修医であっても、将来の開業を見越したうえで、当院で学んでもらうのも良いと考えます」とアピールする。
楠原司研修医は「将来的に開業する場合でも、口腔外科や全身疾患のある高齢者への対応を学ぶことは必要だと思います。当院には医科の研修医もいて控室が一緒なので、病気や薬について気軽に相談できるのも良いところです」と強調。「将来は妥協しない歯科医師になりたい。忙しさや知識不足などを理由にせず、どんな時でも患者さんにとって有用な治療を届けられるように頑張ります」と誓う。
郷家部長は「当科には研修医のみならず歯科衛生士も新卒で入り、前向きにチーム一丸となり指導しています。チーム全体が活気づき、さらなるパワーアップを目指します」と意欲的。