徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2024年(令和6年)06月03日 月曜日 徳洲新聞 NO.1443 3面

徳洲会脊椎部会が第3回会合
知見深め診療水準向上へ
脊柱変形をテーマに特別講演

徳洲会脊椎部会は4月18日、第3回会合を開いた。同日から3日間開催された第53回日本脊椎脊髄病学会学術集会に合わせて神奈川県横浜市内で催した。今回は大阪ろうさい病院の岩﨑幹季副院長を招聘し、脊柱変形に関する特別講演を実施して研鑽を積んだり、参加者らが交流を深め連携強化に努めたりした。同学術集会では徳洲会グループから2演題の発表があった。

全国から整形外科医や脳神経外科医らが集まり交流

脊椎の疾患は、整形外科と脳神経外科の双方が診療を行っていることから、徳洲会脊椎部会には両科の医師が参加。また、脊椎手術に関心のある初期研修医なども参加し、知見・情報共有を図りグループ全体の診療レベル向上のため、活動している。第3回会合には33人が参集した。

冒頭、一般社団法人徳洲会の東上震一理事長が登壇し、「同じ疾患領域の治療を担っている整形外科と脳神経外科の先生が一堂に会することの意義は、とても大きいです。幅広い患者層を抱える疾患ですので、ぜひ患者さんのために、徳洲会のこの分野の診療水準の向上を図り、皆さんで頑張って良い部会にしていってください」と挨拶。

脊柱側彎症の治療方針などテーマに講演する岩﨑副院長

続いて、同部会の部会長である江原宗平・湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)院長兼脊椎センター・脊柱側彎症センター長が「今回招待した岩﨑先生は私が大阪大学医学部整形外科に勤務していた時代に、多くの手術を一緒に行った仲間です。脊柱変形のなかでも今日は脊柱側彎症を中心に話していただきます。初期研修医の先生方には、このような分野があることを学ぶ良い機会であると思います」と呼びかけた。

岩﨑副院長は2022年4月に『脊椎脊髄病学 第3版』(金原出版)を上梓し、23年11月に開催された第57回日本側彎症学会学術集会で会長を務めた。今回は「脊柱変形の外科的治療-過去から現在、子どもから高齢者-」というテーマで特別講演を実施。

講演では豊富な症例写真を供覧しながら、小児から高齢者を含む成人まで多様な症例を紹介し、治療方針の決定過程や治療内容、経過の解説を行った。

最後に岩﨑副院長は「20~30歳頃までの素質や教育に基づく人間性の根本を変えることはできませんが、その後の仕事や人との出会い、読書などによって“心を高める”ことはできます。それには謙虚な姿勢と感謝の気持ちが大切です」と精神修養の心構えを説いて講演を締めくくった。

講演後には懇親会を実施。湘南大磯病院(神奈川県)の権藤学司院長が乾杯の挨拶を行い、参加者らは歓談しながら交流を深めた。各施設からの現状報告を行い情報共有にも努めた。

脊椎脊髄病学会で2演題発表

第53回日本脊椎脊髄病学会学術集会では江原院長がアフタヌーンセミナーのセッションで、「脊柱側彎症手術-前方・後方-ハイブリッド脊椎手術室/34,162本挿入とロボット椎骨スクリュー挿入/4,048本挿入」をテーマに発表。

江原院長は自院の治療環境として構築してきたハイブリッド脊椎手術システムやロボットガイダンスによる椎弓根・椎体スクリュー挿入、さらに、自身が開発した内視鏡サポート小切開前方矯正固定術、矯正BOX(CORRECTION BOX)などを紹介した。

また、徳洲会脊椎部会に参加した大垣徳洲会病院(岐阜県)の下川哲哉・脊椎センター長が「腰部脊柱管狭窄症(LSS)の術後成績における中枢性感作と運動機能の関連性」をテーマに一般演題の口演を行った。

中枢性感作は、中枢神経の過興奮による痛覚過敏の状態を指す。運動機能との関連に着目した術後成績の報告が少なかったため調査した。術後1年経過観察した76の適格症例について、CSI(中枢神経感作の測定ツール)軽度群と重度群を比較。検討の結果、中枢性感作は歩行には影響を与えなかったものの、立ち上がり動作などの運動機能には影響を及ぼすことが示唆されたため、「ADL(日常生活動作)の改善を図るには、中枢性感作を軽減する方策を検討する必要があると考えられます」と考察を提示した。

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