徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2024年(令和6年)05月27日 月曜日 徳洲新聞 NO.1442 1面
徳洲会体操クラブの岡慎之助と杉野正尭主将が今夏に開かれるパリ五輪体操男子日本代表に内定した。第63回NHK 杯(5月16~19日、群馬県)で大会終了後に発表された。ともに代表入りは初。このうち岡は同大会で優勝も果たした。徳洲会体操クラブの選手がNHK杯を制するのは17年ぶり。秋にはクラブの新たな活動拠点となる「徳洲会ジムナスティクスアリーナ」(仮称)が完成予定。華を添える意味でも、両選手はパリで最高の結果を出し凱旋する覚悟だ。
あん馬で美しい演技を披露する杉野
パリ五輪の体操男子日本代表は5人。ひとりは、すでに昨年に内定したため、NHK杯では残る4枠を争うかたちとなっていた。このうち2枠は内定選手を除く上位2人。残る2枠は「同10位以内」と「順位の制限なし」が1枠ずつだが、他の3人との組み合わせで最もチームの点数が高くなる2人が選考される。
鉄棒で離れ技を決める岡
NHK杯は4月の第78回全日本体操個人総合選手権の得点を持ち点として、予選、決勝と2日間競う。
全日本を2位で終えた岡は同1位の選手が棄権したため、繰り上がり1位で予選をスタート。あん馬で落下するミスもあったが、そのまま1位通過した。決勝でも、あん馬で落下するミスが見られたものの、粘り強く安定した演技を披露。あん馬以外の5種目ですべて14点台をたたき出し、一度もトップを譲ることなくパリ五輪の切符をつかんだ。同時に、徳洲会体操クラブに17年ぶりのNHK杯をもたらした。
表彰台でトロフィーを手にする岡
杉野は5位でフィニッシュ。得意の鉄棒とあん馬では高難度の技を組み合わせた演技構成で点数を伸ばし悲願の日本代表に内定した。会場で代表内定を聞いた岡は「ミスが出ても切り替え次に集中しました。美しい体操という、自分らしさを見せられたことが代表入りにつながったと思います」と笑顔。杉野は「自分の力を出しきりました」と振り返るも、すぐに「今からが新たなスタートだと思います」と気持ちを切り替えていた。
今秋に新築移転オープンする新アリーナ
同クラブが五輪の日本代表に所属選手を送り出すのは、前回の東京に続き2大会連続。複数の所属選手が団体総合に出場することになれば、米田功監督が現役だった2004年のアテネ大会以来、20年ぶりだ。米田監督は「代表入りすべき選手が入ったと思います」と両選手をたたえ、「岡は若いこともあり伸びしろが大きく、さらに成長すると思います。杉野は今まで惜しいところで代表入りを逃していました。今回はプレッシャーを上回る気迫で演技できたと感じました。パリでも勢いのある演技で会場を沸かせてほしいです」と期待を寄せている。
岡は「自分の役割はノーミスでやりきり、チームに貢献することです。団体と個人総合で金メダルを狙います」と宣言。杉野も「『杉野が出れば高得点が出る』と思われるレベルの演技を目指します。団体、あん馬、鉄棒の3冠を獲得します」と意気込む。
両選手は5月24日、一般社団法人徳洲会(社徳)東京本部を訪問。東上震一・社徳理事長から「唯一無二のアスリートを目指し頑張ってください」と激励を受け、花束と応援メッセージが書かれた寄せ書きの贈呈を受けた。
壮行会で東上理事長はじめ執行理事が両選手を激励
目下、徳洲会体操クラブの新たな体育館を建設中。現在と同じ神奈川県鎌倉市内に複合体操施設「徳洲会ジムナスティクスアリーナ」(仮称)が今秋、お目見えする。地上 3 階建て、総面積 5,300㎡。男子体操専用体育館としては国内最大級の規模となる。米田監督は「栄冠を手にして、新アリーナでお披露目したいです」と力を込める。