
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2024年(令和6年)05月20日 月曜日 徳洲新聞 NO.1441 4面
徳洲会外科部会は4月20日、愛知県で第2回学術集会を開催した。医療の質向上、専攻医の獲得・育成、離島・へき地医療の充実などが目的。徳洲会に所属する消化器外科、小児外科、一般外科の医師ら50人超が参集した。また、4月18~20日に同県で第124回日本外科学会定期学術集会が行われ、徳洲会グループは計26演題を発表した。
全国から50人超が集まり研鑽
冒頭、部会長の乘富智明・福岡徳洲会病院院長が「皆で学び、部会活動を大きく広げていきましょう」と挨拶しスタート。
特別講演を2演題行い、まず王心儀・栄民総合病院(台湾)教授が「Robotic Whipple operation Meso Pancreas Level3 Dissection」(膵臓頭部がんにおけるロボットWhipple D3 膵頭十二指腸切除術)と題し講義。Whipple D3 膵頭十二指腸切除術は、膵頭部付近にできた腫瘍を切除した後、消化器を再建するために胆管、膵臓、胃の順に、それぞれ小腸に吻合する。手術支援ロボットを用いて同切除術を実施した症例を解説。がんの完全切除率が上昇することなどを報告した。
「遠隔診療にも力を入れてください」と東上理事長
小濵和貴・京都大学医学部消化管外科教授は「進化する胃癌集学的治療の中で外科手術はどう変わっていくのか」と題し講演。周術期化学療法の世界的潮流や、手術支援ロボットの現状などを概説し、「外科手術では、より難易度の高い症例に対応することが求められます。今後の外科手術の鍵を握るのは、低侵襲な手術が可能となるロボット支援手術だと考えます」とまとめた。
「部会活動を大きく広げていきましょう」と乘富院長
シンポジウムでは手術支援ロボット「ダヴィンチ」、「hinotori」、「ヒューゴ」、「センハンス」を導入しているグループ病院がそれぞれ特徴を解説し、知見を共有した。また9演題の症例発表を行った。
総合司会を務めた副部会長の高山悟・榛原総合病院(静岡県)副院長は部会の将来構想として、遠隔診療支援システムを用いた病院間の相互交流やロボット支援手術の活性化、先端的な医療の導入をアピールした。
「グループの海外展開も支援したいです」と高山副院長
最後に、東上震一・医療法人徳洲会(医徳)理事長が挨拶。「外科は多くの技術が導入され、イノベーション(革新)が日々起こっています。外科部会も遠隔診療の進展に寄与してください」と期待を寄せた。
その後、交流会で大橋壯樹・医徳副理事長(名古屋徳洲会総合病院総長)が「当院ではロボット支援手術を導入することで症例数が大幅に増えました。外科でも新しい技術を導入し症例数を増やし、徳洲会の力を示していきましょう」とエール。乘富院長は「ロボット支援手術をはじめ、いろいろなことに触手を伸ばしながら、外科部会を盛り上げましょう」と呼びかけた。
第124回日本外科学会定期学術集会では徳洲会がSDGs企画とシンポジウムで各1演題、パネルディスカッションとワークショップで各2演題、一般演題(口演)2演題、ポスター14演題、研修医演題(ポスター)4演題を発表した。
SDGs企画では、「外科技術の継承を」をテーマにしたセッションで、宇治徳洲会病院(京都府)の我如古理規・外科副部長が登壇。若手外科医師不足の現状をふまえ、技術発達に合わせた教育システムの再構築が求められていると指摘した。
「外科医が基礎研究を行う意義」と題するシンポジウムでは、同院の長山聡・外科部長が発表。「外科医は、臨床と基礎研究を双方向に連携させる主軸の役割を果たすことで、がん治療の飛躍的な発展に寄与できます」とSurgical scientistの重要性を提言した。
「Preemptive TEVARの功罪」がテーマのパネルディスカッションで発表したのは山部剛史・湘南鎌倉総合病院(神奈川県)心臓血管外科部長。同院ではPreemptive TEVAR(急性B型大動脈解離に対する先制胸部大動脈ステントグラフト内挿術)を2013年から積極的に施行、その豊富な経験から合併症を発生させない工夫を講じる良好な成績を収めていると報告した。
「CABGにおける,動脈グラフト多用の功罪,静脈グラフトの将来は?」と題するパネルディスカッションには福岡病院の片山雄二副院長が登壇した。同院ではCABG(冠動脈バイパス手術)の際に、内視鏡下で大伏在静脈に直接触れずに静脈グラフト(代替血管)を採取するPedicle-EVHを用いた治療が奏功している例を示した。
「乳癌領域外科治療の個別化」をテーマにしたワークショップでは東京西徳洲会病院の佐藤一彦院長が発表。「マルチカテーテル小線源治療(早期乳がんに対する乳房温存術後の放射線治療)による2日間の超短期間乳房部分照射の有用性が示唆されました」と転帰を示した。
「Open Abdominal Managementにおける私の工夫」と題したビデオワークショップでは、札幌東徳洲会病院の萩原正弘・外科主任部長が発表。同院のOpen Abdom-inal Management(腹部開放管理)における腹部開放創管理用ドレッシングキット(傷を覆う医療材料)使用時の工夫、閉腹困難症例に対する閉腹方法などを報告した。
一般演題では宇治病院の岡本三智夫・外科医長と藤岡祥恵・外科医師が、それぞれ発表した。