
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2024年(令和6年)05月20日 月曜日 徳洲新聞 NO.1441 2面

かつて猛威をふるい、「国民病」とも言われた結核。戦後、標準治療の徹底や、接触者検診など、さまざまな対策により罹患率を減らし、2021年に日本は「結核低まん延国」入りを果たした。しかし人口10万人当たり8.2人(22年)と、欧米の先進国に比べ、まだ高い水準で(米国2.6人、ドイツ5人)、「現代でも適切に対応しないと脅威になり得る疾患です」と福岡徳洲会病院の久良木隆繁副院長(呼吸器内科)は注意喚起する。
結核の初期症状は微熱、慢性のせき、寝汗などで、通常のかぜや花粉症と見分けが付きづらい。せきが長く続くから結核であるという可能性は高くないが、最近は高まん延国からの旅行者や移住者と接触する機会が増えていることもあり、「2週間以上症状が続く場合は、念のため医療機関を受診してほしい」と久良木副院長。
結核は放置すると、一部では生命にかかわる疾患だが、かなり悪化していない限り適切に治療を受けることで根治が期待できる。早期発見と、何よりしっかりと薬を規定の期間、飲み続けることが大切だ。
本来であれば年齢や状態に応じ半年~9カ月間、薬を服用し続けなければならないが、服用を自己判断で止めたり、飲んだり飲まなかったりを繰り返したりすると、体内で生き残った結核菌に薬物耐性ができ、本人だけでなく周囲、引いては社会に治療困難な結核菌を広めかねない。「結核菌は空気感染する疾患です。しっかり治療を最後まで受け、耐性菌のまん延を防いでほしい」と久良木副院長は訴えている。