
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

Tokushukai medical group newspaper digest
2024年(令和6年)05月07日 火曜日 徳洲新聞 NO.1439 3面
「入院時だけでなく退院後も考えると介入する意義は大きいです」と湧川係長(左)、飯田薬剤師
薬局で持参薬をチェックする薬剤師
長崎北徳洲会病院は、入院患者さんを対象にポリファーマシー対策に注力している。ポリファーマシーとは、多剤併用のなかでも、とりわけ薬物有害事象のリスク増加や服薬過誤(誤った方法での服薬)、服薬アドヒアランス(処方どおりの服薬)低下といった問題につながる状態を指す。
同院は鬼塚正成院長の指示の下、昨年2月に対策強化に着手。薬剤部を挙げて取り組み、ポリファーマシーの可能性が高い患者さんの持参薬を薬剤師が調整する。具体的には、入院時に患者さんの持参薬を院内の調剤薬局でチェックし、患者さんの状態を考慮しながら介入を検討する。経験の多寡を問わず、どの薬剤師でも介入できるように指針も策定。
①薬剤調整希望あり、②65歳以上で「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」に該当あり、③薬物管理能力の低下、④薬効重複、⑤効果や副作用の観点、⑥薬物間相互作用、⑦疾患や肝・腎機能の観点――を評価7項目とし、1項目でも該当すれば医師の了承を得たうえで、病棟スタッフと患者さんに説明しながら調整を進める。評価項目は電子カルテにテンプレート(ひな形)を作成し、記録できる工夫も欠かさない。
取り組んでから1年が経過し、延べ約200回の調整を実施。調整した薬の種類は胃薬や下剤、睡眠薬など合計21に上る。
湧川朝也・薬剤部係長は「当院の入院患者さんは75歳以上が全体の7~8割を占めます。ふだんから複数の薬を服用している方が多いのですが、なかには症状がなくなっているのに漫然と服用しているケースなどが見られます」と説明。「入院が必要な状態の時に、本当に必要な薬かどうかを確認することは重要です」と強調する。飯田芳貴薬剤師は「指針を明確にしたことで説明しやすくなりました、患者さんからも好評です」とアピール。「この取り組みだけでなく、さまざまな要因が影響していると思いますが、転倒件数が減りました」と加え、今後も積極的に行っていく。