徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2024年(令和6年)04月30日 火曜日 徳洲新聞 NO.1438 1面

湘南鎌倉病院
アスリート中心の医療に力
スポーツ総合診療センター開設

湘南鎌倉総合病院(神奈川県)は4月にスポーツ総合診療センターを開設した。同センターはスポーツ活動をとおして発生した外傷や障害に対し、整形外科的な診療のみならず、総合診療科や婦人科などの医師や、看護師、栄養士、薬剤師、理学療法士、作業療法士、アスレチックトレーナーなどもチームに加え、現在の問題解決から今後の予防対策まで、包括的な医療サポートの提供を目指す。スポーツにかかわる子どもから大人まで、またスポーツ愛好家からプロアスリートまですべての方が対象だ。

「ひとりの医師の判断ではなくチーム医療が大切」と明田医師

Athlete-Centered SPORTS MEDICINE――「アスリート中心のスポーツ医療」が湘南鎌倉病院スポーツ総合診療センターの目指すモットーだ。これを実践するために立石智彦センター長の呼びかけの下、明田真樹医師、高森草平医師、橋本拓医師の3人が入職した。

「判断を誤ると選手に不利益が生じることも」と高森医師

スポーツには外傷が付きものであり、整形外科がかかわる機会は多い。しかし、それだけでは現場のニーズに合わないこともある。高森医師は「現場ではトレーナーから医療的な相談を受ける機会が多くあります。スペシャリティも大切ですが、どんな状況でも診断と初期対応、重症度判定ができることは必要不可欠。判断を誤ると選手に不利益が生じることになります」と警鐘を鳴らす。

「選手から信頼されるスポーツドクターに」と橋本医師

また、表面上の症状に対し治療を施すだけでなく、アスリートが本当に困っていることは何か、別の不調が隠れていないかなどを把握することも大切だ。明田医師は「ひとりの医師だけの判断ではなく、トレーナーや部活のコーチ、ご家族から話を聞いたり、他診療科の医師や多職種に相談したりしたうえでベストを考えます。それぞれの立場の人間が、同じ目線でプロフェッショナリズムを発揮することが大切です」と強調。 

「しめ縄」をモチーフにしたスポーツ総合診療センターのロゴ

こうした考えは、病院の外来でも同様であり、プロとアマチュアで変わるものではない。

治療方針は患者さんの要望や取り巻く状況により異なる。試合が近いから手術はせずにリハビリで治療する、将来を考え早めの手術を実施するべきなど、多くの選択肢から患者さんの納得する治療を行う。こうしたサポートをトップレベルのアスリートを診てきた医師が対応するのが、同センターの強みだ。

明田医師は2017年から横浜DeNAベイスターズのチームドクターを務めており、ホームゲームの試合帯同や選手の健康管理、外来でも選手やスタッフの診療を実施している。高森医師はラグビー日本代表や日本のプロチームのチームドクターを経験。自身もラグビー経験者であり、整形外科医師としての専門は「ラグビーにかかわる不調全般」とアピールする。橋本医師は今年、日本バレーボール協会メディカルユニットメンバーに選出、「選手からもトレーナーからも信頼されるスポーツドクターを目指します」と意欲的だ。

今後は、総合内科や婦人科など他診療科、多職種との連携強化に加え、次世代のスポーツドクターの育成にも注力していく。また、スポーツに特化したリハビリ環境を整備し、「アスリートは病院のリハビリが終わって、すぐに競技に戻れるわけではありません。その間を埋めるためのリハビリにも取り組んでいきたい」(高森医師)と抱負を語る。

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