徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2024年(令和6年)04月08日 月曜日 徳洲新聞 NO.1435 3面
「ICP育成に力を入れます」と江口・看護師長
徳洲会感染管理部会関西ブロック長の江口比呂美・宇治徳洲会病院(京都府)看護師長は「2023年度徳洲会グループ手指衛生調査報告」をテーマに発表した。はじめに、昨年7~9月に行った手指衛生順守調査の結果を報告。直接観察の下、医師や看護師、リハビリテーションスタッフ、その他4分類全職種を対象に5つの瞬間(患者接触前、清潔操作前、体液曝露後、患者接触後、周辺環境接触後)で基本的な手指衛生が順守できているか調べた結果、14年度調査から21年度まで改善し続けた順守率中央値が22年度同様、改善につながらなかったこと、医師の順守率が他職種に比べ有意に低いことなどが明らかになった。
これらをふまえ、江口・看護師長は同部会の手指衛生に関する24年度活動方針を提示。手指衛生は、医療の質の評価として重要な項目のひとつであることから、キャンペーン期間だけでなく、平常的な評価の仕組みを確立する必要がある。手指衛生を分析し改善に取り組むチームの増強と観察者のスキルアップを図り、年間をとおして手指衛生への意識向上に努めていくことなどを掲げた。組織として取り組む必要があり、幹部の理解と積極的な支援が不可欠であると述べた。あわせて今年度から「WHO(世界保健機関)手指衛生多角的戦略」を導入し、手指衛生自己評価フレームワーク(HHSAF)を5年かけて進めると発表。グループ全体の手指衛生順守率の向上を目指す。
また感染管理実践者(ICP)の育成にも力を入れると強調。「感染管理に関する最新の法的知識、実践的な感染管理能力を身に付けられるICP育成コースを昨年度から開催しました。修了生は、実践を積みながら、各施設の感染管理を担う人材となります。24年度の当コースは5月に始まります。感染管理に携わる方は、育成コースを受講していただきたいです」と呼びかけた。