徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2024年(令和6年)04月01日 月曜日 徳洲新聞 NO.1434 3面

5年ぶり乳がん研究会
多職種が一堂に会し研鑽
徳洲会乳がん部会が開く

徳洲会乳がん部会は3月2日、都内で第5回徳洲会乳がん研究会を開催した。北海道から沖縄県まで全国の徳洲会グループ病院から乳がん治療にかかわる多職種が出席。症例検討や特別招聘講演を通じ、研鑽に励んだ。

2019年以来の開催を喜ぶ出席者 1部、2部ともに活発な議論を展開

コロナ禍の影響により、研究会の開催は5年ぶり。冒頭、乳がん部会長の間瀬隆弘・大垣徳洲会病院(岐阜県)院長は「ようやく皆が集まって会を開くことができました」と部会メンバーとの再会を喜んだ。

第1部では症例検討会を行い、北海道から沖縄県まで徳洲会グループの10病院が座長や演者を務めた。発表は合計8演題で、医師や看護師、コメディカルが、それぞれ自院で経験した症例や実践した取り組みを紹介。テーマも乳がんに関する治療や検査、多職種連携による情報管理など多岐にわたり、なかには離島のような限られた環境でも実施できる工夫も見られた。

また、研究に関する演題もあり、徳洲会グループ統一の電子カルテシステムを用いた“徳洲会リアルワールドデータ(実臨床のさまざまなデータ)研究”を紹介。研究の成果と課題を示しつつ、出席者に同データの活用や研究への参加を呼びかける場面も見られた。

第2部では特別招聘講演を企画。外部講師として亀田総合病院の黒住昌史・乳腺科乳腺病理部長兼臨床病理科部長が「乳腺腫瘍のWHO分類第5版に沿った病理診断のポイント」、同院の福間英祐・乳腺科主任部長が「南房総で行う局所療法とcomprehensive breast center」と題して、それぞれ講演した。

全プログラム終了後、間瀬部会長が総括。「多職種が集まったこと、とくに乳がん領域の常勤医師が不在の病院からもコメディカルに参加していただけたことがうれしかったです。患者さんに少しでも良い医療を提供したいという皆さんの熱意を感じました」と振り返り、「今後は超音波講習会など教育にも力を入れていきたいです」と展望した。

症例検討会で発表した演者と演題名は次のとおり。▼平本亜希子・東京西徳洲会病院看護主任、山川有希子・同院薬剤部主任(薬剤師)「乳がんチーム医療の実践に向けた『外来化学療法評価シート』の活用について」▼前田健太・札幌徳洲会病院薬剤部係長(薬剤師)「当院における薬剤師外来とPBPMの導入と運用の実際」▼鳥山明里・静岡徳洲会病院診療放射線技師「自覚症状を放置し、乳癌が進行した一例」▼藤本泰久・吹田徳洲会病院(大阪府)乳腺外科部長「Twinkling artifactを指標としてマーキングを行い、適切な乳腺部分切除を施行し得たDCISの1例」▼大田隆代・和泉市立総合医療センター(同)乳腺内科部長「Increase in serum creatinine levels associated with abemaciclib in hormone-positive metastatic breast cancer: a case report」▼長嶺信治・湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)乳腺外科部長「早期乳癌に対するラジオ波焼灼療法もう一つの臨床試験(長期画像経過と整容性を中心に)」▼山口康平・札幌東徳洲会病院臨床検査技師「OSNA法による癌リンパ節転移の検査について」▼下山ライ湘南鎌倉総合病院(神奈川県)副院長兼外科部長「徳洲会リアルワールドデータ研究TREADの現況」

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